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二十三 ページ25

襖の方から声が聞こえ見るとそこには


「…A?」

お茶を替えに来たのかお盆を持ったAが


まさか


「私を使ってくれませんか?」

聞きたくなかった言葉が耳に届いた













立花さんと櫻井さんは私を見て黙ってしまった


わかってます。まだまだダメだって

でも


「私が行けば夜のお店になんの影響もありません。」

「…お前次の仕事が何なのか分かっているのか?」

「えぇ、潜入ですよね?
私は他の方々にまだ姿が知られてません。」

「この前の男は知ってるぞ?」

「大丈夫です。
男性の袴を着て隠せば」

そう言うと立花さんが急に私の肩を掴んできた

「お前、分かってるのか!?失敗をしたらどうなるのか!」

「はい。」


「…何故、お前はそこまでする。」

そこまで


だって


「助けていただいた恩返しです!」


立花さんの手に触れて言うと立花さんは下唇を噛んで下を向いてしまった

我が儘ですよね?

櫻井さんはそんな私を見て私の髪に触れてきた
な、なに?


「…袴は俺が貸そう。A…頼めるか?」

「っ、はい」


悲しそうに微笑む櫻井さんを見て私は答えた。






「…まさか、女ではなく。男らしくさせるとはな」

いつぞやの着物を着せるかのように立花さんは私に袴の着せ方と髪を束ねていた


「…そうですね」

立花さんが私の髪に触れて男の人らしく乱雑に結ぶ


「綺麗な黒髪だな」

「?そうですか?」

「あぁ、……俺がもう少し強くてしっかりしてればな」

あの日


立花さんはそれ以来悲しそうだった

多分、

「…これは、私の我が儘なので立花さんは関係ありませんよ」


私のせいであろう


袴をぎゅっと掴むと立花さんは後ろから抱きしめてきた

何故、抱きしめるのか

分からない

すると掠れた声で私の耳元で


「何かあった時はすぐに叫べ。
それと、今回は違うところにつける」

つける

もしかして

言葉の意味がわかり後ろを向こうとしたら

チリッ


「いっ、」

「髪に隠れるから。まぁいいか」


うなじの所にチリっとあの痛みが走った


「絶対に助ける。
だから、躊躇うことなくさけべ」


そう言って私の肩を掴んで目を見てきた立花さんはどこか決意したような表情だった


何か


吹っ切れたのか


「はい」


それを見て私もどこか安心した。







「櫻井さんの名でここへ来ました。倉本と言います」

声を低くし


これから



騙し討ち

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はるか(プロフ) - すごく面白いです。いつもドキドキしてます。更新頑張ってください!! (2017年8月22日 19時) (レス) id: efe91ed229 (このIDを非表示/違反報告)
- あの、すいません、「十一」の話の「立花さん」が、「立場さん」になっていると思います。間違ってたらすいません (2017年7月22日 12時) (レス) id: c9821ec644 (このIDを非表示/違反報告)
青りんご(プロフ) - 世界観がすごく好きです。毎回更新されるたび嬉しくてすぐチェックしてしまいます^ ^応援しています! (2017年7月18日 15時) (レス) id: 591376f718 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すっごくすっごく面白くて、更新楽しみにしてます!これからも頑張って下さい! (2017年7月9日 0時) (レス) id: fee5a8ae7a (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - いい、、ですね、、、これからも応援してます!(゜▼゜*) (2017年7月4日 16時) (レス) id: 503188b34f (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2017年6月9日 13時

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