二十 ページ22
ミーンミンミンミン
暑い…
「A、今年は豊作だぞー」
誰？
多分声てきに父だ。
きゅうり畑のところに1人たたずむ父
なんでそこから動かないの？
「お父さん」
幼い声が聞こえる
自分？
小さな着物を着て走る彼女は父の腕を引っ張っていた
いつだろう？でも前こんなことが
「…いつか裏切る時が来たとしても。生きるや」
ミーンミンミンミン
「っ、父さん……」
気づいた時には布団に寝ていた。
これは…夢？
汗をすごくかいていて息が上がっている。
そして、手を上へと天井に上げていた
いつ…の？
なんで今これを
布団から起きて着物の帯を外す
これは、着替えなくては
「どうした？」
「っ！？え、あ」
襖の方から声が聞こえた
響きからして
「き、木村さん」
「凄くうなされてたけど」
「…大丈夫ですよ。心配しなくて」
これを言えば私はまだ未練があることになる
ここで住み込みで働いて貰えるのであればそんなことをしてはいけない
乗り越えるんだ
しかし、その時襖の方からカタンっと音が聞こえた
見ると、木村さんは襖に背中を預けて座っていた
なんで？
帯をとる手を止めて背中を見ていると
「…忘れられないなら忘れなくていいんだよ。俺も親を裏切ってここに来たから未練はある。他の奴らだって…何か未練はあるよ。
だから、Aさんは無理に忘れなくていいんだよ。その記憶は思い出としてちゃんと持っとくんだ」
途中から私は涙をこらえることが出来なくて泣き出してしまった。
会いたいのに親と離れて会えない
生きてるのかさえも分からない。
「っ、え、木村…さんっ」
「……開けていい？」
「お、帯を」
「いいよ。付けてなくて抱かないから」
そういい木村さんは優しく襖を開けて私を後ろから抱きしめてきた
「…寂しい時とかどうしようもできなくなった時は抱えなくていいよ。……ずーとこうしてあげるからさ」
「父のっ、父の夢を」
「うん。お父さんが出てきたんだね？暖かかった？」
「は、っ、はい」
「そうか。その記憶大切にしてね」
木村さんに何があったのかは分からない
けどこの人は何かがあったからここにいるだ
夏の朝
少しだけ蝉の声が聞こえるとき
後ろから抱きしめてくる木村さんの体温が背中を伝ってきて薄く汗をかいた
「…脱がしたいけどだめだよね？」
「待って下さいね。すぐに離れますので」
そう言って離れたかったが
ギュッ
「待って」
離れることは出来なかった
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はるか(プロフ) - すごく面白いです。いつもドキドキしてます。更新頑張ってください！！ (2017年8月22日 19時) (
レス) id: efe91ed229 (このIDを非表示/違反報告)
銀 - あの、すいません、「十一」の話の「立花さん」が、「立場さん」になっていると思います。間違ってたらすいません (2017年7月22日 12時) (レス) id: c9821ec644 (このIDを非表示/違反報告)
青りんご(プロフ) - 世界観がすごく好きです。毎回更新されるたび嬉しくてすぐチェックしてしまいます^ ^応援しています！ (2017年7月18日 15時) (レス) id: 591376f718 (このIDを非表示/違反報告)
聖(プロフ) - すっごくすっごく面白くて、更新楽しみにしてます！これからも頑張って下さい！ (2017年7月9日 0時) (レス) id: fee5a8ae7a (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - いい、、ですね、、、これからも応援してます！(゜▼゜＊） (2017年7月4日 16時) (レス) id: 503188b34f (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2017年6月9日 13時
