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腕のキズは少しずつ消えていく。

だがもう寒い


カーディガンを着て歩いていると目の前から営業課の人達が歩いてきた。


「やはり、もう少しこう商品の良さを」

「商品開発課の奴らに言ってみないとな」


…仕事が上手くいかないのかな?


集団の横を通り過ぎようとしたら後ろを歩いていた神山さんと目が合った。


「あ、お疲れ様です」


「お疲れ様です。


あの」


通り過ぎた時声をかけられた。


後ろを振り向くと神山さんが立ち止まっていた。



「腕は大丈夫ですか?」


「あ、…あと少しです。

でも痛みはないので」


「そうですか…良かったです。
お大事に」


仕事の中では他人


だけど


あの日の神山さんはどこか


兄というかなんというか


難しいな…



離れていく後ろ姿を見て私は何故かモヤっとした気持ちになった。









「内定者の方々への研修が上手く作れないんですが」


「去年と一緒はあかんの?」


「上が…やめてーとのことで」


「それ俺ら地獄やん」



人事部のいつもの3人でミーティングルームを借りてパソコン起動させながら話すが思いつかない。


なんでダメなんだよ


総務課人事部なので課長に判断は委ねるのだが


毎年一緒だとなぁということで却下された



どの流れで作ろうか


寒い室内の中パソコンとにらめっこしてるとドアが開いて営業課の方々が入ってきた。


「あれ?今からここ使いますか??」

「あ、いいですよ。
俺らもう終わったんで」


中間さんが嘘をついて部屋を出るよと言う。


片付けて私もあとを追おうとしたら神山さんが入ってきた。


…今日は黒のスーツに中は紺のニット…


寒いもんなぁ


パソコンを閉じて両手に抱えて出ていこうとしたら扉を開けてくれた。


「どうぞ」


「ありがとうございます」



そして私は部屋をあとにした。









「神ちゃん、なんしてんの?」

「…いや、何もない」

「なんやー?好きになったん?」


いつもは怒る神ちゃんにそう声をかけると一瞬止まって顔が真っ赤になっていってた。


お、おぉ??


「か、神ちゃん??」


「今はええやろ。照史君」


仕事中は関西弁を出さない奴が取り乱してる。

暑いと言ってジャケットを抜いだがここ寒いで?



…営業課の鬼が取り乱すの珍しい


今日の会議大丈夫かな?

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なす(プロフ) - ハル春さん» こちらこそ忙しい中ありがとうございます! (2019年11月6日 20時) (レス) id: 8ea933b9e5 (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - なすさん» コメントありがとうございます!全部ですか!?嬉しいです、ありがとうございます!更新頑張っていきますね (2019年11月5日 23時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
なす(プロフ) - ハル春さんの小説全部読んでますどれも大好きです!更新頑張ってください! (2019年11月5日 13時) (レス) id: 8ea933b9e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル春 | 作成日時:2019年10月7日 0時

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