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キスは1度だけ
たった触れるだけ
離れると神山さんは私の椅子をぐっと引っ張る
ガラガラと音がすると私の椅子に手をついてしゃがみこみ下から覗き込む形でキスしようとしてきた。
「だ、…だめ」
咄嗟に手を伸ばして神山さんの口を塞ぐと神山さんはチラッと私を見て手のひらにちゅっと音を立ててキスをした。
っ、なにこれ
驚くと神山さんはクスッと笑い私の頭を撫でると離れた。
「もやしのこの炒めてあるの美味いな。
俺これ好きー。
…明日さ、土曜やん
どっか行かん？」
「……え」
「水族館や動物園でも大丈夫
それかどこかお店を」
「あの、…え」
「何をしたら、その悲しそうな顔笑顔にできる？」
目が合う
真っ直ぐにこっちを見る。
綺麗な目だな
手も綺麗だし
「…神山さんが選んで下さい」
「自分がしたいの欲しいの言えばええのに。」
「分からないんです。
何が欲しくてしたいのか」
あまりにも物欲が無さすぎる
自分でも仕事して休みはゴロゴロというのが当たり前だったからそれ以外が思いつかない。
神山さんは携帯を開いて何かをしていたが携帯を机の上に置き私の方を見てきた。
「じゃあ、Aが欲しいものが見つかるまで俺が色々振り回しちゃおうかなぁ」
「…え？」
「その口で欲しいものが言えたら終わりにしようか」
「終わり？」
「そう。もう、弁当も作んなくてええし俺も離れる。
それでええやろ？」
つまりそれって私は自分の欲しいものを言うまで拒否権なしということか
…この人鬼か
「分かりました。」
覚悟を決めて言うと神山さんは私の頭を撫でご飯を食べ始めた。
私もしっかりしよう
これ以上泣いたらダメだ
神山さんが作ってきたお弁当はどれも形が整っていて味も美味しい
これ食べて次の仕事頑張ろう
机の上に置いてあった資料を見てそう決意した。
「あれ？神ちゃん」
「あ、淳太くんやん
ちょうど良かった営業課の伊成の人事異動について課長から頼み事があるんやけど」
食べ終えた時中間さんがお昼から帰ってきた。
神山さんは中間さんに話しかけると中間さんの所に行って仕事の話を始めた。
弁当箱は片付けて普通にしとこうと
袋に入れ、自分はすぐに午前中の仕事の続きをする。
…内定者の方々をどこの配属にするかはやはり1度本人たちに聞いてからがいいしなぁ
部署から出る時神山さんは私の横を通りお弁当の袋を持っていった。
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なす(プロフ) - ハル春さん» こちらこそ忙しい中ありがとうございます！ (2019年11月6日 20時) (
レス) id: 8ea933b9e5 (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - なすさん» コメントありがとうございます！全部ですか！？嬉しいです、ありがとうございます！更新頑張っていきますね (2019年11月5日 23時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
なす(プロフ) - ハル春さんの小説全部読んでますどれも大好きです！更新頑張ってください！ (2019年11月5日 13時) (レス) id: 8ea933b9e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル春
| 作成日時：2019年10月7日 0時
