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手が触れると神山さんは私を引き寄せ抱きしめた。


ポカポカしている神山さんは私の背中を撫でる。


右手には袋が2つ


「…あ、の。お弁当」

「嫌なこと言われたやろ

渡された時思ったで?


助けたかったけど仕事中やったし。


…俺、Aから直接やないと受け取らんから」



ぐっと強くなる腕にじわっと涙が溢れそうになった。


涙を流したくない


神山さんの肩から顔を出して泣かないように離れようとする。


でも神山さんは私の後頭部に触れ肩に近づかせる。


やめて


お願い



「っ、だ、め」


「…ちょっとA、俺少しだけ触れるわ」


そう言うと神山さんは私の腰に触れヒョイっとお姫様抱っこをした。


そして少し歩き私の椅子に私を座らせた。


座ったのと同時に下を向いて零れてくる涙を拭く

ちゃんとしないと


「…ここで食ってええ?」


「っ、ん、でも。ひっ、ぁ」


多分弁当箱は中はグシャッてなってると思う。
袋を振り回したというか


泣きながらも弁当箱を見ると私が作った方はやっぱり中がぐしゃっとなっていた。


こんなの食べさせられない


「だ、め」


「いただきまーす。
お、タコさん入ってるやん!

上手くなったなぁ形」


「、き、たない」


手を伸ばして弁当箱を取ろうとしたら神山さんは弁当をぱっと手に取った。

息はしゃくり上げるし

声も上手く出ない


化粧もひどいと思うし



「美味いで。タコさんも可愛いし」


「ん、うんん。

ぃ、あ」


「A」



名前を呼ばれしゃくり上げながら神山さんの方を見ると神山さんはもう1つのお弁当箱を開け卵焼きを箸にとった。


「食え」


「っ、むり、

わた、し」


「……口開けてみ」


頬を撫でられその手に安心しゆっくり口を開けると神山さんは私の口の中に卵焼きを入れた。

前食べた時よりも…味はもっと好きになった。


私の好みになった



飲み込むと神山さんは箸を置いて私の頬に触れた



「…?っ」


「泣くの我慢してたやろ。

目ぇ真っ赤


ご飯食べて、午後の仕事頑張ろう。



…怖かったな」


貴方は悪くないのにどうしてらそんな悲しそうなんですか?


首を横に振ると神山さんは悲しそうに笑い私の肩に触れた。



「可愛ええな。A」



聞いたことない落ち着いた低いゾクッとする声が耳に入った。


そして次の瞬間唇に1度だけキスされた。



誰も居ない部署でこんなことしていいのだろうか


付き合ってないのに…

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なす(プロフ) - ハル春さん» こちらこそ忙しい中ありがとうございます! (2019年11月6日 20時) (レス) id: 8ea933b9e5 (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - なすさん» コメントありがとうございます!全部ですか!?嬉しいです、ありがとうございます!更新頑張っていきますね (2019年11月5日 23時) (レス) id: d930f7625b (このIDを非表示/違反報告)
なす(プロフ) - ハル春さんの小説全部読んでますどれも大好きです!更新頑張ってください! (2019年11月5日 13時) (レス) id: 8ea933b9e5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハル春 | 作成日時:2019年10月7日 0時

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