四人の歌い手は鬼を狩る

説明が欲しい ページ20

一時間後


？「ーーーー！！！！！」



う「っ‼︎」



　物凄い咆哮が聞こえて、思わず耳を塞ぐ。



　…何だよ…この咆哮…。



？「ー！！！」



　もう一度叫び声が聞こえて、誰の声か分かり、その瞬間走る。



　兎に角無我夢中で獣道を走り続け、何とか家に着いた。



う「っ！！…何だよ…これ…。」


　家の戸の前は血塗れで、震えながら中を見ると、有一郎が血塗れで倒れていた。



う「有一郎！」



有「…うら…た…。」



　有一郎が少し動いて、駆け寄って見ると、左肘の先から無かった。



　人生で初めての事が起こり、血の気が引いて気絶しそうになるが、何とか止血をしようと、やまだぬきに紐を取って来て貰い、片腕をキツく縛る。



鴉「カァー！！！カァー！！！！」



う「！！」



　鴉が大きく叫び、ハッとして顔を上げると、まーしーが目の前に居た。



志「お待たせ、うらたん。」



う「！！！…まーしー…。」



　まーしーはしゃがんで、背負っていた荷物から、包帯やら注射器を取り出す。



有「…誰だ…お前…。」



志「志麻や。うらたんがお世話になってるな。」



う「おい、俺の方が歳上だろ。」



志「見た目。」



　まーしーはそう言って、有一郎に注射して、有一郎はしばらくして眠りに落ちて、寝息が穏やかになっから、安心して座り込んでしまうが、無一郎が此処に居ない。



う「まーしー、もう一人…。」



志「坂田が既に向かってる、多分途中で迷ってるけど、直ぐに着く。」



う「鴉が居るんじゃ…。」



志「坂田の鴉、方向音痴だから。」



う「…。」



　思わず呆れてしまい、ジト目でまーしーを見ていると、外で物音がした。



志「戻って来たな。」



う「！！」



　慌てて外に出ると、赤髪赤目、白い肌に血を浴びた人が、無一郎を担いで歩いて来た。



う「…坂田…。」



坂「！！！…うらさん！！」



　坂田は満面の笑みになって、血塗れのまま抱き着いて来て、血生臭さに我に帰る。



う「そ、その血は…。」



　サイコパス感が半端なくて、ついつい離れてしまう。



坂「？鬼の返り血と、この子の血。まーしー、中におるんやったら手当てして。」



志「中連れて来い、外は無理や。」



坂「了解。」



　坂田はそのまま中に入って行って、俺も中に入って戸を閉める。



　まーしーが無一郎を手当てして、有一郎の隣に寝かして、俺は脳が追い付かずにぽかんとする。



　誰か説明して…。

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