四人の歌い手は鬼を狩る

忍者 ページ15

志麻視点・最終日


　この山に居る鬼を、殆ど狩り尽くしてしまった。



　師匠に言われた通り、坂田とは別行動して居る。



志「…さてと。」



　さっき知り合った、後藤さんを手当てし終えて、包帯とかを風呂敷に片付ける。



後「うぅ…お前、スゲーな…。」



志「後藤さん、あんま喋らない方が良いですよ。肋骨折れてますし。」



　後藤さんは、さっき鬼に蹴られて、背中を木にぶつけて、骨を折って動けなくなった所を、丁度俺が通りかかって、そのまま首を切って、今手当てし終わったところだ。



志「…？」



　鬼の気配がして、2本の短刀を握る。



　俺のスタイルは、師匠達の影響を受けて忍者スタイルだ。



　何か、全集中を使ったらめちゃくちゃスピードが速かったから、相手の懐に潜り込み、確実に首を斬り落とす様にした。



　…まぁ、日本男子として、カッコいいものに憧れてしまう。



　坂田も二刀流だけど、坂田の刀は刃の一部が握れる様になって鎖で繋がって居て、ヌンチャクスタイルだ。



　刃の部分を素手で握れるから、中距離にもなる。



　因みに、2本の少し短めの刀から、坂田が自作した。



　…何か、転生して能力引き継ぎかと思ったら、転生補正が掛かってる。



　絶対に。



　だって、俺らにこんな能力無かったし、段ボールで色々作っても壊れたし。



　作ったと言えば、ペットボトルロケットを思い出すな。



　…あん時のセンラ、悲惨やったな…。



後「し、志麻、何か近づいて来てないか…。」



　後藤さんが震えて居て、我に帰る。



　危ない危ない、思い出に浸ってた。



　思い出に浸るのは後にして、今は鬼を狩るか。



　…、…待って、この気配は…。



志「…、…アイツ…。」



　刀をしまって後藤さんを担いで、場所を移動する。



後「お、おい、鬼は…。」



志「歯を食いしばって下さい。」



後「へっ…⁉︎」



　思いっきり上に飛ぶと、さっき迄立ってた場所の木が、円状に全て切り倒されて、中央を見ると、数個の鬼の首が、血を撒きながら空を舞っていて、中心には無表情の坂田が、さっき考えてたヌンチャク刀を持って立って居た。



後「な、何だよアイツ！」



志「俺の仲間です。」



後「⁉︎」



志「着地するんで、歯を食いしばって下さい。」



後「ひぃぃ‼︎」



　後藤さんが情け無い声を上げるが、坂田の背後に着地する。



　…こいつ、マジ許すマジ。

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