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悪戯が31回 ページ35

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『…ん?あの大富豪さんって家族想いなの?』

「も、もしやフランシス様の事ですか…?」

『そうそう!長いじゃない、フィッツジェラルドって。』

「な、なるほどです…

確かにフランシス様は家族想いです」

「あの人はある"本"を求めて横浜に来たらしい。書き込んだ内容が現実になる…そういう本を求めて。
フィッツジェラルドさんは妻と子供がいたそうだけど、子供が死んでしまってから奥さんが心を病んでしまったらしい。今でも、"娘は海外留学に行っている"と信じているらしいよ」

『…それで、愛する子供を生き返らせたいと?』

「そういう事だよ。確かに家族はかけがえのないもので…」


スタインベックがそこで言葉と車を止めた。轟音が響き、一同が驚いて外の景色に目を移した。


「…何に替えても守りたいと思う」


トウェインが転がり出るように、オルコットがあたふたしてドアに手を挟みそうになりながら車から出て、白鯨が落ちた海を呆然と眺めていた。

「えっちょ白鯨が海に落ちてる!?」

「…つ、つまりフランシス様は…?」

2人がそうする中Aは考え込むように俯いていた。スタインベックも車から出ようと手をかけた時にAが口を開いた。

『ねえ、葡萄お兄さん。家族って、無条件にお互いを愛し合うもの?それがたとえ大切な友人達を犠牲にしても愛すべき存在?』

「…そうだと思うけど。犠牲はあっても仕方ないんじゃあないの?」


『そっか。そうだと思ってたよ、ありがとうね』


にこっといつもの調子でAが笑って、車を出ていった。スタインベックが多少の違和感を抱えながら、その後を追うように車を出て、そして「は?」と思わず呟いた。


何故ならAが某小学生名探偵が乗り回すようなスケートボードに乗って走って行くのを見たからである。


「…ソルシエール…いつの間にスケートボードを…?」

「え!あの子行っちゃったの!?早っ!!」


急に現れて、ふらっと消える。そしてふとした瞬間に表情が変わる。読めない行動と思考。その観点からもAは"魔女"と呼ばれていた。

当本人は涼やかな風をその身に受け、髪を靡かせ乍らスケートボードを走らせていた。



『…よく分かんないな、家族っていうのは』



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共喰い編を書くか書かないか。(更新頑張ります)
良ければコメントください…

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君死勿 - 樋口「芥川先輩〜!?!?」←ってなってそうですね… (8月30日 13時) (レス) id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
和歌 - 素敵な作品ありがとうございます! (2022年8月17日 0時) (レス) @page1 id: 5bd59d973a (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いえ!頑張って下さい! (2022年7月29日 12時) (レス) id: cf85aeee8c (このIDを非表示/違反報告)
しろみぃ(プロフ) - 彩さん» わーー!!ありがとうございます!!!!更新頑張らせて頂きます…!! (2022年7月29日 12時) (レス) id: 02d7799d85 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - この作品大好きです!これからも更新頑張って下さい!私の心の癒しです! (2022年7月29日 9時) (レス) @page11 id: cf85aeee8c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しろみぃ* | 作成日時:2022年7月22日 22時

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