さん ページ3
いつもバレー部で食べている場所というのは屋上らしい。
『とーるくんってほんと牛乳パン好きだよね』
と懐かしそうに言えば、
「美味しいからね」と子どものような無邪気な笑顔で伝えてくる。
それがめちゃくちゃかわいい。
「Aちゃん、お友達出来そう？」
と続け様に聞いてくるので、
『もちろん！！お友達作り頑張るんだ〜！』
「お前なら大丈夫だろ」
と言う岩泉に『はじめくんお母さんみたい！！』
と言えば、ふはっと笑う及川、花巻、松川。
「岩ちゃんがお母さん…ふっ」
しばらくしても笑いのドツボにハマってしまった及川は笑いを堪えきれず、ずっと笑っている。
「ああ？」とキレ気味の岩泉をみてAも面白くなってしまう。
『ふふっ、やっぱり2人は面白い！！』
「ちょ、何笑ってんのさ、面白いのは岩ちゃんだからね！？」
という及川に対し、岩泉が拳を突き上げる。
「クソ川、歯食いしばれ。」
「ぎゃっ、ごめんごめん！！！」
そんな楽しいお昼時間が過ぎ、午後の授業も頑張れそうだ。
『次ね席替えなんだって、楽しみ〜』
及川と手を繋ぎながら言えば、「良かったじゃん、いい子だといいね」と笑ってくれる。
そんな少し年上が垣間見える及川徹が大好きである。
『やっぱなるなら後ろの席がいいな〜！』
Aを教室まで送り届けた4人にお礼を告げる。
『ありがとうー！』
「また後でね」と及川。
「またご飯食べような」と伝える松川に
「楽しかったぜ」と終始笑っている花巻。
「クラスでなんかあったらすぐ言え」と男前な岩泉。
なんとも頼もしく、愉快な3年生だろう。
席替えはくじ引きで行うことになり、隣になった子に挨拶を一声。
『よろしくね、Aです、、、英だ！！』
「うわ、Aじゃん」
『その嫌そうな顔やめてよ！！悲しい！！本当は嬉しいくせに〜』
とだる絡みをすれば、本当に嫌がる国見。
国見とは中学が同じで、及川の後輩ということもありよく話していた。
『英と席隣だと安心だ〜、最初緊張しなくていいし！』
「まあ俺も話しやすいから」
淡々と言う国見が可愛くて塩キャラメルを今度買って来ようと思った。
『そうそう！さっきまでとーるくんたちとご飯食べてたの！今日もかっこよかったんだよ！』
「ほんとよく飽きずにずっと好きでいられるよね」
慣れた様子で話を聞いてくれる国見は案外優しい。
『当たり前じゃん！年々好きが増してく感じ？』
「ほんと尊敬…」
続く
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作者名：にこまる | 作成日時：2024年3月7日 3時
