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『あ、とーるくんとはじめくん!!』


その声に気づいた岩泉が反応する。


「おお、A元気してるか?同じ高校に来たのはびっくりだぜ」


「お、この子が噂の及川と岩泉の幼馴染?」


花巻が聞く。

「俺、松川でこっち花巻な」



と早めの自己紹介を頂いた。


『私Aです!とーるくんとはじめくんに仲良くしてもらってます!よろしくお願いします!』


と元気な返事で答える。


そして自己紹介もおわり、キャーキャーと言われているまだ自分に気づいていない彼のもとへトコトコ歩き出す。



『とーるくん!!』


女の子の壁なんてお構い無しに突っ込み、飛びつくように及川に抱きつく。



「え!?ほんとにAちゃんじゃん!!同じ高校は聞いてないんだけど!?なんか大人っぽくなった!?」


とても騒がしい人物だ。1つの質問に答えも返さずに追加質問をしてくる。


でも幾分か自分よりも小さいAの頭を撫でる手はとても優しい。


『びっくりした!?2人を驚かせよーと思って!!今日もとーるくんはかっこいい』


「ほんとびっくり!!ありがとう〜」



爽やかな笑顔でそう言う彼にとびきりの笑顔で返す。



その光景に信じられずに固まっていた周りも現実に引きずり戻されたかのように大きな驚きの声が教室中に響き渡る。



「え、どいうこと!?知り合い!?」



及川を取り囲んでいた1人の女の子が質問をしてくるので笑顔で返す。



『幼馴染!!あ、とーるくんたち一緒にご飯食べたい』



「お、いいね行こっか」


『ほんと!?嬉しい!』


及川の腰にくっつき及川たちバレー部3年がいつもお昼ご飯を食べている場所へ向かう。


「あ、そうだ。入学おめでとう」


そう言って手渡されたのはいちごミルクのジュース。



『え!!好きなやつ!!』


目をきらきらとさせ喜ぶAにふわっと笑いかける及川。



「なあ岩泉、こいつら付き合わねえの?」


「あ?知らね」


と松川の質問に返す岩泉。


「Aがずっとこのクソ及川に片思いしてるんだってよ」


そうそう、と付け足す。



「及川にしては珍しいこともあるんだな」


別の生き物を見るように言う花巻に笑いが零れる。


「ちょっと岩ちゃん、まっきー、まっつん今失礼なこと考えてたでしょ!!」


先程までAと楽しそうに話していた及川だったが、話に乱入してくる。


これはAの気持ちが及川に届くまでのストーリー。

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作者名:にこまる | 作成日時:2024年3月7日 3時

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