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いち ページ1

______4月



桜の花びらが綺麗に舞う頃。

入学おめでとうと書かれた門を通る。



まだ固くて1年生には少し大きいサイズのブレザーを纏い、高校に入り少し背伸びをして頑張ったメイクを確認する。



『うん、今日もいい感じ!とーるくんとはじめくんびっくりしちゃうかも!!』



るんるんと効果音が聞こえてきそうなほどのスキップをしながら、青葉城西高校の敷地内に足を踏み入れる。



そう今日は、青葉城西高校の入学式である。



入学式ではそれぞれのクラスの担任が生徒の名前を呼ぶという地獄の作業。



そして定型文かと思わせるような祝辞を並べ、やっとのことで入学式が終わり退場し教室に戻る。



入学式だと言うのにも関わらず1日あるなんて前代未聞。

半日で帰らせて欲しいものだ。


そんな憂鬱な気持ちを抱えお昼時間に、トイレに行く。



みんな初めての人が多く、その時間を狙って友達作りを始めるようだ。


しかし静かだった1年生廊下に黄色い歓声が飛ぶ。


「あの人誰だろう?!」

「イケメン」


「3年じゃん」


黄色い歓声の渦中の人物が爽やかな笑顔で手を振るとさらに、黄色い歓声が響く。


「及川うるせぇ」ドカッという音ともにお騒がせの張本人が叩かれる。


「嫉妬は見苦しいぞ岩ちゃん☆」


「良し、岩泉もっとやれ」



と悪ノリを始める及川、岩泉と同級の花巻。


「なあ、お前らの言ってる可愛い幼馴染ってどの子?」


不思議そうにクラスを見つめる松川も同級である。


そして目的であるクラスへ付き、ちらっと覗くが


「いなくねえか?」


「うーん、2組って言ってたよね?確か」

覗かれているクラスではさらにざわざわとし始め、


「3年生かっこいいね、大人っぽい〜」


「あの人かっこいいよね!」


そう聞こえる方に手を振れば及川は直ぐに女子に囲まれてしまう。

「もう1発殴ってくるか?」


と岩泉が言うので、さすがに花巻と松川が止める。


Aはと言うと、トイレから戻り自分のクラスが何やら騒がしいことに気づく。


『ねえ、これなんの騒ぎ?』



近くにいた同じクラスの女の子に聞く。


「今3年生のかっこいい先輩が来てるの!!ちょー身長高いよ!」


教えてくれた子にお礼だけ伝え見に行く。




『あ、とーるくんとはじめくん!!』

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作者名:にこまる | 作成日時:2024年3月7日 3時

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