【REBORN】傍観に徹しようと思います。9

予想以上に白蘭さんはチートでした。 ページ22

「ありえねえ事も起せるってわけだ」

「その通りだ......白蘭サンは他のパラレルワールドで得た知識を使い、まだその世界で発見されていないワクチンの知識を持っていたり、日陰の身で姿を隠していた王族を発見したり、何百と言う"偶然"の発明なくしては生まれえない兵器の開発に技術を提供し、猛スピードで完成させたりしたんだ......」

正一さんはタイムトラベルを繰り返している内に過去の白蘭さんにまで能力に気付かせてしまったらしい。ちょ、なんて事してるんだ。

「って事は白蘭は10年前からその能力を使えたの？」

「ああ」

「入江！ その間お前は何をしておったのだ！ 白蘭の悪事を知りながら放っておいたのか！」

怒鳴りつけた了平先輩を止める綱吉君。

「____僕は記憶を失っていたんだ。8度目のタイムトラベルうで未来へ行った時、10年後の世界で未来の僕が仕掛けた装置によって、タイムトラベルと白蘭サンについての記憶を抹消されたんだ、5年間ね......」

「ご、5年も！？ 未来の正一君は何でそんなこと？」

「もちろん白蘭サンを倒す為さ。未来の世界では白蘭サンを倒せないと考えた未来の僕は過去に遡って白蘭サンを消そうとしたんだ。過去の僕を使ってね......未来の僕は過去の僕が白蘭サンに余計な敵意を持って怪しまれないように、記憶を消してから白蘭サンに近付けようとした」

過去に戻った正一さんは、未来の自分が残した手紙の通りに行動した。私達に10年バズーカを当てたのもその手紙の指示だと。

「そして僕は手紙のススメの通り海外の大学へ進み、白蘭サンと友達になる。皮肉な事に人生で一番楽しい時だったよ......チョイスもこの時作ったんだ。だが5年が経ち、僕は全てを思い出す」

恐ろしいタイムトラベルと、荒れ果てたいくつもの未来、そしてその元凶が白蘭さんである事、自分の使命がそれを阻止する事全て思い出した正一さんはパニックに陥る。

しばらくしてスパイとしてやっていく気力が出来た頃に、自分の記憶とこの世界で起きている出来事を整理して今いる自分の世界の状況を把握して愕然としたらしい。

「何故なら、考えられる全てのパラレルワールドの中で今いるこの世界だけが白蘭サンに滅ぼされていない世界だったからだ」

そう、無数にあるパラレルワールドで唯一この世界だけが無事だったという事。素晴らしい確率だよね。

......ん、待てよ？ 白蘭さんは確か私がいるのもこの世界だけと......え、これ凄くない？

考えたら凄いよね？

偶然が折り重なり過ぎて信憑性薄くなってますよ。→←白蘭さんの能力が判明しました。

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