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にひゃくさんじゅうろく!! ページ39

*I-side






俺の後ろで、Aが「すご……」と
呟いたのが聞こえた。


ほんと相手にするのが怖いよ、この男は。






蹴りを決められ倒れた月川を
三橋はソファーにどっかり座って眺める。



三橋「言っとくけどなァ。こっちの伊藤は俺より強いぜ。
テメェが左手でしか闘わないから本気出さなかっただけ。
優しい男だからさ」

月川「なるほどォ……」




弱々しく立ち上がった月川の右手には拳銃。


俺の隣にいるAは怖いはずなのに、
一歩も動かずに堂々としていた。




……たくましくなったな。




三橋「降参か?お前は腕力で勝てねぇんだ。弱ェ男だな」

伊藤「……」

三橋「今井は最後まで意地貫いたぜ」

月川「ほざけ……」





月川が拳銃を俺たちに向ける。


特に一番怖がりそうなAには
何度も何度も突きつけた。





伊藤「……舐めてんじゃねぇぞ」

月川「あ?」

伊藤「んなもん見せればこの子がビビるとでも?」

「……!」

三橋「そーそー。怒らさねぇほうがいいぜ。
容赦ない女だからさ」

伊藤「頼りになる俺の大事な妹なんだよ」

三橋「おっかねぇ俺の大事な彼女でもある」

「お兄ちゃん……、三橋さん………っ」


月川「くそ、くそくそぉ!!ビビれよほら!!撃つぞゴラ!!本気で死にてぇのか……?!」





瞬間、三橋が隠し持っておいたガソリンをぶちまけた。


訳のわからぬ様子の月川は拳銃を向け続ける。




三橋「A。説明してやれ」

「……ガソリンです。月川さん」

月川「んだと……?」

「貴方が拳銃で私たちの誰かを撃ったところで
当たる確証はありません。が、引き金を
引いた瞬間火薬で貴方は火だるまです」

三橋「さぁどうする……?俺を撃つために、火だるまになってみっか?」




まぁ無理だろう。

素手相手に拳銃構えた野郎だ。


予想通り、月川はゆっくり拳銃を落とした。






三橋「今まで奪った拳銃、全部交番に届けておくね。
ほら僕、真面目でいい子だから」




三橋は恐らく相手だったらクソ腹立つくらいの
笑顔を浮かべる。



月川はもう何も言わないようだ。









三橋「………二度と軟高に手ぇ出すんじゃねぇぞ」









そう三橋が言い残して、


俺たちは『ヤクザの城』をあとにした。









.









.


うわわいよいよクライマックスですよ!
10話!かなり長くなってきましたが
あのシーンがもうすぐ来ます……!!

にひゃくさんじゅうなな!!→←にひゃくさんじゅうご!!



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nasiremon - 伊藤兄がかっこよすぎる! 涙腺妨害ですよ…同感できるところが多い…うぅぅぅ… (2020年5月13日 1時) (レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 牡丹杏。さん» ぜひぜひ続きも見てください(*´∇`*) (2018年12月27日 15時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹杏。(プロフ) - えーここまでで涙ボロボロなのに、続編見たらどうなるの。私の涙腺w 楽しみにしてまーす (2018年12月27日 15時) (レス) id: 48235b53b0 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - ライアーさん» コメントありがとうございます!とても励みになります!これからもキュンキュンしてもらえるようらがんばります!! (2018年12月26日 14時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
ライアー - 続編すっごく楽しみにしてます。頑張ってください!応援してます!!! (2018年12月26日 13時) (レス) id: ca359b9f59 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神室紫雨 | 作成日時:2018年12月16日 17時

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