伊藤の妹たちの番外編 part3【今日から俺は！！】

#伝説の妹 ページ21

※リクエストのお話ではありません。
※会話のみのgdgd展開です

.





伊藤「そういえばAが幼稚園のとき伝説残した話ってしたことあったっけ」

三橋「聞いてないな」

伊藤「おぉ。幼稚園とか保育園って発表会とかいって劇やったりするじゃん」

三橋「伊藤はカッパ役だよな」

伊藤「やかましーわ。それでAが赤ずきん役になったんだけどよ」

三橋「主役じゃん」

伊藤「そーそー。それが可愛いのなんので。
童話のどの赤ずきんちゃんよりもベストオブ赤ずきんちゃんなわけで」

三橋「ベストオブ赤ずきんってなんだよ」

伊藤「まぁそれでよ、
あまりにも可愛いから保護者の間でも結構噂になって、
保護者の繋がりに芸能界の人間がいたから
Aをスカウトしにきたわけよ」

三橋「……ほぉ」

伊藤「Aは全然乗り気じゃなくてさ。
むしろ嫌々やらされてたらしく」

三橋「アイツそういうとこ冷めてるよなぁ」

伊藤「話の中でさ、狼が赤ずきんに
花摘ませてその隙にばーちゃんの家
乗り込むとこあるだろ」

三橋「ああ名場面な」

伊藤「いやそうでもないけど」

三橋「で?」

伊藤「Aはずっと前からそのシーンに納得してなくて」

三橋「いや童話に納得も糞もねぇだろ」

伊藤「うんまぁそうなんだけど。
『狼に花を摘めといわれて摘む女の子なんていない』
って言い出してさ」

三橋「……いやでも赤ずきんちゃんはほら、天然な女の子だから」

伊藤「俺もちゃんと言ったよ。
けどあの子頑固だからさ。
本番でいきなり台詞変えたのよ」

三橋「なんて?」

伊藤「『テメーの言うことなんか聞くかよバーカ』って」

三橋「ぅーゎー…」

伊藤「そんでおばあちゃんの家目掛けて逃げ出す演技して、
狼の子もそれ追いかけてって。
しょうがないからその場で二人を食べることになった」

三橋「ボロボロじゃねーか」

伊藤「いやそれが真逆でよ」

三橋「は?」

伊藤「スカウトに来てた人が
『咄嗟のアドリブにも関わらずこんなに
観客を魅了するなんて素晴らしい天才だ!』
っていう評価を出してさ」

三橋「アドリブっつーかAの我が儘だろ」

伊藤「名女優誕生に加えてそこの幼稚園の
赤ずきんちゃんはAの演技を
受け継ぐ形になったんだよ」

三橋「え、アイツ女優だったの?」

伊藤「女優の仕事の説明聞いてる途中で断った。俺が」

三橋「お前かよ」







.





伊藤くんにAちゃんの昔話を
させたいという回……デス。

#狂犬の優しさ→←#落書き。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す