ひゃくはちじゅうさん!! ページ36
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ヘルメ「ウラァッ! 死ねェ!!」
「っ、!!」
この人……無茶苦茶にバット振り回してるだけだ。
考えながら闘ってる人より逆に危ない。
下手に近づくと金属バットでぶん殴られちゃう。
ヘルメ「結局逃げてばっかりじゃねーか卑怯者!!」
「っはあぁ?!アンタがそれ言う?!
んなこと言うならそのヘルメとバット外しなさいよ!!」
ヘルメ「うるせぇぇ!!」
「夏のプールはどうするのよ!そんなもの持って泳げるわけ無いじゃん!!溺死するからね?!ニュースで『死因はバットとヘルメです』って言われるからね?!」
ヘルメ「黙れ女ァ!!てめぇさっきからバットとヘルメのことを馬鹿にしやがって!!」
「現実を教えてあげてるだけじゃん!!友達100人どころじゃないからね?!ていうか上下揃えてきなさいよ!!野球のヘルメかぶれ!!」
ガァンッと柱にバットが当たり、
耳の痛い金属音が響く。
背中に壁が当たり逃げ場が無くなってしまった。
……っ逃げてばかりじゃ、だめだ。
ヘルメ「ウラァアッ!!」
「っ!」
振り下ろしてきたバットを避けて、
そのまま肘に右膝をのせ、
飛び乗るように体重をのせた。
素早く左でヘルメを蹴飛ばすと、
助走もあったお陰でヘルメ男は吹っ飛んでくれた。
今のかなり良かった気がする!
ヘルメ「テンメぇえ!」
そのあともブンブン金属バットを振ってくるけど、
だいぶ目が馴れてきたみたい。
……バットを大振りしたあとが隙だらけだ。
なぜかそこからは自分でも気づかないうちに
冷静になっていて、
何度も何度も、ヘルメ男は私に蹴り倒されていた。
──ぞくぞく、と背中に妙な物が疼く。
初めてのその感覚は、さっきの“怖い”とはまた違う“怖い”。
……このまま本能に任せて喧嘩したら、
私はどうなるんだろう。
ヘルメ「っぐぁあ!!」
「……、ハァ…っ……降参して」
ヘルメ「……くそぉ」
「……関係ない人を巻き込んだ貴方を私は許したくない。ていうか、絶対許さない。
……でも、降参してくれたら、なにもしないから」
ヘルメ「舐めてんじゃねぇよ!! まだ終わっちゃいねぇ!!!!」
勢いよく起き上がったヘルメは、
妙なものを左手に握っていた。
窓から入る日に当てられて、ギラついている。
「……は?…なにしてんの?」
ヘルメ「どうやら本気にさせたみたいだぜ、この俺をよぉ!!」
殺気だったヘルメが、再びこちらに迫ってきた。
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天孤 - 現実は本当に甘くないんですね〜 (2019年8月2日 14時) (レス) id: 7eedb3b556 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - そうだね!見よう!泣くマジ泣く (2018年12月16日 20時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - カ……カナリヤ…………私だって……こんな激辛な現実は見たくない!でもしょうがない……残された時間で私たちが出来ることを今一度考えて楽しく『今日から俺は!!』見よう!………泣いても笑っても最後だから………。 (2018年12月16日 18時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - やめて!!!現実を突き止めないで!!!!!!! (2018年12月16日 12時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - やだ………明日で今日から俺は!!が終わっちゃう…………… (2018年12月15日 22時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:神室紫雨 | 作成日時:2018年12月1日 12時