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ひゃくはちじゅうに!! ページ35

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理子さんとお兄ちゃんの忠告も振り払って、

私は廃工場にやって来た。





この前の理子さんの言葉を忘れたわけじゃない。



……それでも、私はこの闘いを降りるわけにはいかなかった。







ちゃんと証明したい。


三橋さんに。



「私も闘えますよ」って。









「……お邪魔します」





まったく人気のない廃工場は
まるで人間がこの世から居なくなったのでは、と
疑いたくなるくらい静かで。



けど、進んだ先にはヘルメ男が座って待っていた。


私の足音に気がつくと、ゆっくり顔を上げて

ニヤリと頬をあげる。








ヘルメ「来てくれたか……赤坂理子……、

……いや。伊藤Aさんよォ」






ずっと隠していた「“怖い”」が
この時ばかりは容赦なく私の体に噛み付いてくる。



でも、逃げたくない。


この人は三橋さんより、弱い。






頭の中で金髪頭と広い背中を思い浮かべたら、
自然と足が一歩前に出た。







「なんで私の名前知ってるの?」

ヘルメ「はっ、忘れたのか?
昨日乱入してきた松ぼっくりのことを
“ニーチャン”って呼んだだろ。
聞き出したらすぐ出てくんのさ」




……お兄ちゃんが“松ぼっくり”で理解されるなんて。

“松ぼっくりの妹ってなに?”って聞かれてる私……。



……なんだろう。

なんか色々許せない。






ヘルメ「どうやら裏番ってのは他にいるみてぇだが……俺は昨日、喧嘩の邪魔されたのが許せねぇ。
アンタボコってからじゃねーと、てっぺん目指す気になれねぇんだわ」

「わ、笑わせないでよ。アンタのそのヘルメとバットでもうボケてるんだから」

ヘルメ「意味わかんねぇこと言ってんなよ」


「っそれに……、

そんなヘルメ被って防御固めて、
金属バット振り回してる卑怯なアンタに、

軟高のてっぺんなんか取られるもんか」







かなり強く言ったのに、
「へへ、言うねぇ」としか答えない。


少しでもビビらせたら、
こっちも有利になると思ったけど……。







「そ、それとさ」

ヘルメ「あ?」

「喧嘩する前に聞きたいんだけど」

ヘルメ「んだよ」

「……授業中どうしてるの?」

ヘルメ「は?」

「学生証の証明写真は? 体力測定は? 日誌は?」

ヘルメ「関係ねぇだろ!!」

「初めて見たときから聞いて良いのかわかんなかったんだもん!! それくらい教えなさいよ!!」


ヘルメ「ウダウダ言ってんじゃねぇッ!!」









怒鳴り声をあげた瞬間、



ヘルメが急に走り出してきた。

ひゃくはちじゅうさん!!→←ひゃくはちじゅういち!!



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天孤 - 現実は本当に甘くないんですね〜 (2019年8月2日 14時) (レス) id: 7eedb3b556 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - そうだね!見よう!泣くマジ泣く (2018年12月16日 20時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - カ……カナリヤ…………私だって……こんな激辛な現実は見たくない!でもしょうがない……残された時間で私たちが出来ることを今一度考えて楽しく『今日から俺は!!』見よう!………泣いても笑っても最後だから………。 (2018年12月16日 18時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - やめて!!!現実を突き止めないで!!!!!!! (2018年12月16日 12時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - やだ………明日で今日から俺は!!が終わっちゃう…………… (2018年12月15日 22時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神室紫雨 | 作成日時:2018年12月1日 12時

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