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最後に大きく花火が打ち上がり、
夜空は静けさを取り戻した。
時刻は9時前。
「綺麗でしたね」
「…だな」
花火大会が終わる、ということは
渡海先生とばいばいするということ。
普段はこんな気持ちにならないのに、
今は…
「先生…」
「ん……?」
「もう、帰っちゃうの……?」
何かを察してくれたのか
先生は少しため息をついて、
わしゃわしゃと私の髪を撫でた。
「今日は寂しがり屋さんですね」
「……そうです」
「でも俺明日もオペあるからなぁ」
わしゃわしゃ、
いつまでも触れていてほしいと思ってしまう。
「……出来ることならAを連れ去りたいよ」
「え?」
「なんてね」
「まってなんですか今の! 初耳なんですけど!!」
「うるせぇここ病院」
いつもよりもテンポの良い会話。
居心地よくて、楽しくて、嬉しくて。
でもそれは、ずっと続く訳じゃなくて。
「……そろそろ行こっかな」
「み、見送ります、途中まで…」
「いーよ。早く世良のとこ戻ったげて」
じゃ。
名残惜しそうな掌が、離れていく。
渡海先生は少し寂しそうな優しい瞳で
不器用に笑ってくれていた。
何か、何か最後に。
何か言いたいのに何も言えない
私を後押しするかのように。
───空が、明るくなった。
はっとして空を見ると
今までの中では一番大きな花火。
ゆっくり、ゆっくりと
粘るように咲き続けて。
「───ッ渡海先生!!」
私は彼のゆるゆるとした長袖を引っ張って
距離を縮めるように、甘えるように抱きついた。
今日くらいいいじゃん
って、花火が言ってくれた気がして。
「っな…」
「好きです!大好きです!」
「は……」
「渡海先生が、何処で何やってても、
私は先生のことばっか考えてます!!」
「………急に、どした?」
「っだから!!
呼び出されたらいつでも会いに行くから!!
もっと会いたいです!!」
暗闇が、再び訪れる。
先生の顔を見るのが怖くて、
ずっと向こうにある非常灯を睨み続けた。
「あのね」
先生の声。
低くて少し引っ掛かってるみたいな、
優しくて大好きな声。
「そういうの、言わないでよ」
「………だって、」
「帰りたくなくなるでしょ」
ぶきっちょな笑顔。
優しく引き寄せられて。
「………もうちょっと、一緒にいよっか」
なんやかんや私に甘い。
悪魔は口角を上げて微笑んでくれた。
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みーこ(プロフ) - 可愛い、この二人萌える〜 (2018年10月2日 22時) (
レス) id: 84fdbed2f6 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - くまちゃんさん» ありがとうございます！そう言ってもらえてとてもホッとしております(*^^*) (2018年9月25日 7時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
くまちゃん(プロフ) - ドキドキが止まりませんー！ (2018年9月24日 9時) (レス) id: de2b78e93f (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - ひまりさん» ひまりさん！コメントありがとうございます！！なかなか難しそうなんですね……！周りのかたはセンスがよくてちょっと背景変えるのが怖くなってきました(笑)なれてきたら変えてみようと思います！教えてくださり、ありがとうございました！ (2018年8月16日 18時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - ミウさん» はじめまして(’-’*)♪コメントありがとうございます！そうなんですよね、悩みに悩んで結局白にしちゃいます笑笑 しっくりくんですよねぇー笑笑 (2018年8月16日 17時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年8月4日 11時
