situation (ページ9)

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昼休みが終わり、会社に戻って仕事を再開。

そしていつもより、
今日は仕事が早く終わり喫茶店へ向かう。

自然と歩くスピードは早まる。

「こんばんは」

「！…今日は早いですね」

「そうなんです！だから今日は
向井さんといっぱい話したい」

「……俺が相手で良ければ」

夕どきから段々と時間が経つにつれ、喫茶店に来る人も減って行き、19時になると完全に向井さんと2人っきりになった。

向井さんの下の名前は康二。

俺より年下の25歳。
しかも明日が誕生日らしい。

プライベートな話も聞けて。

「へぇー、関西出身なんだ向井さんって。
でもあんまり関西弁聞かないような…」

「あー、仕事上敬語じゃないといけないですからね。普段だとガッツリ関西弁ですよ」

向井さんの関西弁、どんなんなんだろ。

でもそんな雰囲気あるし凄い興味ある。

「聞いてみたいなぁー、関西弁」

「………タメ口になっちゃいますけど、
ええです？」

「おっ、早速来た。全然良いですよ」

「なら深澤さんもタメ口やないと駄目やで？
俺だけって理不尽やし」

「分かった。俺もね？えー、タメ口にしたんだったら呼び方もお互いさん付けじゃあ可笑しいよ」

1日のうちの数時間しか話してない。しかも今までだってチャンスはあったのに、どうしてすぐに仲良くなれなかったんだろう。

お互いに「康二」「ふっかさん」と呼び合う。

良い年した大人同士が
名前呼び合って照れてるとか怖いな(笑)

「じゃ、俺そろそろ帰りますね。
あ、敬語になっちゃった(笑)」

「そうやで！タメ口になったんやで～？……あの、明日の夜、出来れば喫茶店に来て欲しい」

「？……うん、来るけど…何かあるの？」

「それは秘密！楽しみにしてて。
じゃあ…また明日」

秘密、か。何だろ……。

仕事、早く終わらせなきゃな。