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その日はすぐにやって来た。
王都に向かう馬車の中、
Aは殆ど眠っていた。
顔色も良くなかったし、
疲れているのか
前日に良く眠れなかったんだろう。
俺の肩に頭を預けて眠るAの顔を覗き込む。
「はは、安心した様に眠っているな。」
俺たちの向かいに座っているエルヴィンが
口を開いた。
「…疲れてんだろ。」
「言われてみれば最近顔色が良くなかったな。」
「ああ…」
今日の事がストレスで、
眠れなかったのだろうか。
すぐ横にあるAの左手を
そっと握った。
「…リヴァイがそんなに1人の女性に夢中になるとはな。安心したよ。」
「馬鹿言え…俺は入団した時からこいつに夢中だった。気付かなかったのか?」
「それはまた随分と長いな…知らなかったよ。リヴァイが兵士長になった時には気付いたが。」
まぁ、それもそうか。
兵士長になるまで、Aとちゃんと
話をしたことはたった1回しかない。
その1回も、ちゃんとと言えるのか
わからねえレベルの会話だ。
「入団した時からという事は、一目惚れか何かか?」
「ああ…だが、その所為でフラれたがな。一目惚れは信じないんだと。」
「君たちは、付き合っているんじゃないのか…?」
またこれだ。
ついこの間ハンジに同じ質問をされたばかりだ。
「……付き合えたらどれだけ良いだろうな。」
エルヴィンは何も言わなかった。
それが正解だろう。
俺は、慰めの言葉なんていらねえ。
付き合わなくても、
Aが側に居てくれれば、
それで充分だと思ってた。
だが、側に居れば居る程
付き合っていないということが障壁となり、
“触れたいのに触れられない”
そんなもどかしい気持ちが時として
俺の心を苦しめる。
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ひより(プロフ) - 更新頑張ってください! (9月6日 17時) (レス) @page33 id: d52e0caa43 (このIDを非表示/違反報告)
猫iok - めっちゃ続きが楽しみです!!体調を崩さない程度に頑張ってください!! (2023年4月4日 1時) (レス) @page33 id: 6d13d30c38 (このIDを非表示/違反報告)
絹(プロフ) - ゆるどあさん» ゆるどあさん、ご心配おかけしてしまいすみません(TT)少し忙しくて中々更新できなかっただけなのでご安心ください(汗)更新ペースが落ちると思いますが、今後もお付き合いいただけたら幸いです。いつも温かいコメントありがとうございます。 (2021年4月11日 14時) (レス) id: aa01c52314 (このIDを非表示/違反報告)
ゆるどあ(プロフ) - よかったいつもより更新遅かったので心配してました…(汗)2人の関係が気になる…。これからもずっと応援してます! (2021年4月9日 21時) (レス) id: facfd92d2d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絹 | 作成日時:2021年3月16日 1時