兵長のヒトメボレ【リヴァイ】 (ページ8)

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その日から、リヴァイが

話しかけてくることはなかった。

月日が経ち、私はミケさんの補佐官になり、

リヴァイは兵士長にまでなった。

まさかあの礼儀のれの字もない奴が

兵士長だなんて、驚いた。

でもその実力は確かなもので、

実際“人類最強”とまで言われて

持て囃(はや)されている。

「A。」

ある日、久しぶりに声を掛けてきたリヴァイは

初めて話した時よりも幾分表情が

柔らかくなっていた。

「あ…リヴァイ。ちゃんと話すのは久しぶりね。兵士長就任、おめでとう。」

「A、俺の補佐になれ。」

「は…？」

これが、始まり。

それからリヴァイは事あるごとに

俺の補佐になれと煩い。

私が壁外調査で傷を負ったり、

ミケさんの書類を夜通し手伝っていて

クマができたり、何故かその度にリヴァイは

決まって一言、“俺の補佐になれ”と。

リヴァイの補佐になる気は微塵もない。

あんな奴の側にいたら、ストレスで気が狂う。

几帳面だし、態度はデカイし、

どうせこき使われるだろうし。

それに比べて、

ミケさんは落ち着いているし優しい。

歳の離れたお兄さんみたいな感じだ。