34 暗闇のその先 ページ35
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「橘先生少し、お話いいですか?」
橘「いいぞ〜。と言いたいところだが優輔と会う約束をしててな…その後でもいいか?」
「もちろんです。…私も顔出してもいいですか?」
橘「あぁ、優輔も喜ぶよ。」
小児病棟へ橘先生と向かい、久しぶりに見る優輔くんは
すっかり成長していた。
優「あ、森澤先生…?」
「久しぶり!覚えてくてれたんだね。」
まだ彼が病気になる少し前、三井先生と優輔くんが旅行と称して、関西にいる私の様子を見にきてくれた以来だ。
優「あれ、森澤先生は関西にいたんじゃなかったけ?」
「ちょっと前に翔北に戻ったの。」
橘「お父さんが戻ってくれとお願いしたんだ」
人懐っこい優輔くんは久しぶりに会う私にとても優しく接してくれて、
橘先生と三井先生の人柄によく似てるななんて思いながら
今ハマってるゲームや隣に入院している暁人くんと友達になったこと、沢山話してくれた。
三「あれ、森澤。わざわざ来てくれたの?」
「三井先生ご無沙汰しています。」
三井先生も私が関西へ移動した訳を知る1人だ。
と、言っても三井先生に話をしたのは事故後だったけど…
橘「森澤話があるんだったよな」
「あ、はい。三井先生もよろしいですか…?」
私の表情から察してくれた三井先生は
三「優輔、お母さんとお父さんちょっとお話ししてくるから少し待ってて」
と言い、3人でロビーへ出る
「貴重なお時間を…すいません。」
三「大丈夫よ。…藍沢に話したの?」
「は、い…今朝、2人であの子のお別れをして来ました…」
橘「そうか…」
三「長かったわね…」
橘「救えなくて本当に申し訳ない…」
「橘先生、謝らないでください。私の判断ミスです…でも藍沢は言ったんです。あの子は強いと…私に似てとても強いと…」
震えだす体を三井先生がそっと支えてくれた
橘「破水のタイミングがもう少し早ければ、きっとあのお母さんは助かっていない。森澤の的確な処置のおかげで重症にならずに済んだ患者も沢山いた。
あの子は…分かってたのかもな」
三「森澤にそっくりじゃない!自分の事はいつも後回しで目の前で消えかけている命を必死に救おうとするその姿勢。」
「毎日すごく後悔するんです。なぜあの時藍沢に妊娠したと伝えられなかったのかと、なぜもっと藍沢を信頼できなかったのかと。」
何百回、何千回、あの日からずっと、後悔し懺悔する日々
命に次は無いと知ってたはずなのに
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れな(プロフ) - 苗字が森澤でびっくりしました笑笑 (2018年8月7日 19時) (レス) id: 18c21e4147 (このIDを非表示/違反報告)
kokuma(プロフ) - あいさん» めちゃくちゃ嬉しい褒め言葉ありがとうございます(/ _ ; ) (2017年11月10日 9時) (レス) id: ac63afafb7 (このIDを非表示/違反報告)
あい - kokumaさんは話をつくるのがとても上手ですね!驚きました! (2017年11月10日 6時) (レス) id: 6208755813 (このIDを非表示/違反報告)
kokuma(プロフ) - 冷泉 波琉架さん» 物語に入り込んでいただけてとっても嬉しいです。ラストまでこんな感じで切ない展開が続く予定ですがお付き合い頂けたら嬉しいです^^ (2017年10月7日 14時) (レス) id: ac63afafb7 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 波琉架(プロフ) - やばい。真相知った時泣いた… (2017年10月7日 12時) (レス) id: 8121be56da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kokuma | 作成日時:2017年9月15日 21時