31 ページ32
.
話し終わると私の右隣には耕作、左に白石先生、その隣に緋山先生が座っていて
誰も何も喋らない店内に今の私たちには不釣り合いなほどの陽気なBGMが流れている
藍「何も気づいてやれなくて、ごめん」
「…」
藍「俺が気付けていたら、何か変わってかもしれない」
白「そう、だよね…私もなにも出来なくてごめん」
緋「大変だったのに再会したときキツく当たってごめんね」
「ねぇ、なんで皆謝るの？」
白石「だってほら…私もなにか出来ることあったかもしれないのに」
「 本心じゃないでしょ？偽善だよね」
緋「はぁ？」
「なんで耕作は黙ってんの？責めてよ、お前のせいで死んだ、お前が俺の子ども殺したって、医者失格だって」
白「もうやめて！これ以上藍沢先生を追い込まないで」
「なにそれ」
藍「俺の話はいい」
と言った耕作を無視して白石先生は続けた
白「あなたが突然辞めたその日、今までに見た事ない怒りで溢れた表情で藍沢先生は心外に鈴木先生を出せと乗り込んだ
でもあなたと同じ日に辞めていて、２人がどこに行ったか誰もおしえてくれなかった。
居場所が分からないまま2週間経ったある日噂で関西の病院でAが働いてると聞いた。
それから藍沢先生は気が狂ったように空いてる時間を見つけては手当たり次第病院に電話をかけてあなたが働いていないか探していたの」
なにも言い返せなかった、
隣を見ると耕作はジッと下を向いて話を聞いているようだ
そしてまだ白石先生の話は終わっていなかった
白「あなたの噂はどんどん膨らみ、藍沢先生と付き合ってたのに鈴木先生の子妊娠したとか、藍沢先生は捨てられたとか可哀想とか、心ない言葉をよく耳にした…
でも、それでも。藍沢先生はAを信じてた。
信じて待っていたの、その辛さわかる？」
「なんで、白石先生が泣くの…」
話終わった白石先生は自分の事のように目を真っ赤にして泣いていて
きっと７年前の耕作は、本当に見てられなかったんだろうと
あー私のせいで、こんなにも大勢の人を悲しませているんだと痛感した
再会した数日前を思い出すと
本当に彼は私の事を信じて待っていてくれたんだと、だからベンチで少し肩を震わせて泣いてくれたんだと理解した
「耕作は、紫のアネモネだね…」
〜"あなたを信じて待つ"〜
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1210人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れな(プロフ) - 苗字が森澤でびっくりしました笑笑 (2018年8月7日 19時) (
レス) id: 18c21e4147 (このIDを非表示/違反報告)
kokuma(プロフ) - あいさん» めちゃくちゃ嬉しい褒め言葉ありがとうございます(/ _ ; ) (2017年11月10日 9時) (レス) id: ac63afafb7 (このIDを非表示/違反報告)
あい - kokumaさんは話をつくるのがとても上手ですね！驚きました！ (2017年11月10日 6時) (レス) id: 6208755813 (このIDを非表示/違反報告)
kokuma(プロフ) - 冷泉 波琉架さん» 物語に入り込んでいただけてとっても嬉しいです。ラストまでこんな感じで切ない展開が続く予定ですがお付き合い頂けたら嬉しいです^^ (2017年10月7日 14時) (レス) id: ac63afafb7 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 波琉架(プロフ) - やばい。真相知った時泣いた… (2017年10月7日 12時) (レス) id: 8121be56da (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：kokuma
| 作成日時：2017年9月15日 21時
