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「森澤分かるか!意識あったら手を握ってくれ」
聞き慣れた声が聞こえた
耕作?助けに来てくれたの…?
幻聴か…死ぬのかな、
「森澤!しっかりしろ!!」
…え?橘先生?夢…?
橘「よし。意識回復した。橘だ」
「え、なんで?夢…?」
ゆっくり目を開けるとスーツをきた橘先生が見えた
橘「学会でたまたま昨日からこっちに来ていたんだ。誰かエコー持ってきてくれ!妊婦だ、肋骨損傷している」
列車から救出され外でストレッチャーに乗っているらしいそして私を診てくれている先生は
翔北にいるはずの橘先生だった
「橘先生…篠山さん親子は?…」
橘「安心しろ。母親は森澤のお陰で足を切断せずに病院に搬送された、娘も元気で母親について行ったよ。とても感謝してたぞー。肋骨折って平気でオペするとは流石の根性だな」
「よかった、無事で、私は大丈夫なんで他の重症患者を先に…」
橘「やっぱり森澤は自分の体は二の次だな。……でも今回は森澤も重症患者だ。…まずい骨盤も少しやってるな」
肋骨は確かにいたかったけど骨盤もなんて痛くなかったのに
橘「医者の根性だな。流石だよ。でも少し頑張り過ぎじゃないか?…誰かエコー早く!!…少し待っててくれ」
そう橘先生に言われた矢先
パンと言う音と同時に腰のあたりが濡れていくのが分かった
破水した
「っ…た、橘先生!!!!」
橘「!!!まずい、ナース早く!!」
私の服がハサミで切られ、エコーの冷たいジェルがお腹にのるのはとても素早く
看護「先生、胎児の心拍が…」
胎児の心拍が弱っていることを知らせる声は現実なのかと、時が止まるようなそんな気がした
橘「事故後どのくらい時間が経ってる?」
看護「1時間以上は経ってるかと」
医者ならその言葉の意味を理解するまでそう時間はかからない。
もう 助けられない
「先生、私はいいんです。カイザーしてもらえませんか」
どうかこの子だけは助けて
橘「森澤…」
看護「森澤先生のバイタル低下しています」
「先生!!お願いします。」
橘「森澤聞いてくれ、仮死状態のままたぶん30分以上経過している、張りも強くエコーで見るかぎりこの子は多分首に臍の緒も巻きついている。まだ心臓が動いているのは奇跡に近い。今ここでカイザーしてたら森澤が危険になり子どもは搬送の間に……」
あぁ神様っていないんだ
違う。私が守れなかったんだ………
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れな(プロフ) - 苗字が森澤でびっくりしました笑笑 (2018年8月7日 19時) (レス) id: 18c21e4147 (このIDを非表示/違反報告)
kokuma(プロフ) - あいさん» めちゃくちゃ嬉しい褒め言葉ありがとうございます(/ _ ; ) (2017年11月10日 9時) (レス) id: ac63afafb7 (このIDを非表示/違反報告)
あい - kokumaさんは話をつくるのがとても上手ですね!驚きました! (2017年11月10日 6時) (レス) id: 6208755813 (このIDを非表示/違反報告)
kokuma(プロフ) - 冷泉 波琉架さん» 物語に入り込んでいただけてとっても嬉しいです。ラストまでこんな感じで切ない展開が続く予定ですがお付き合い頂けたら嬉しいです^^ (2017年10月7日 14時) (レス) id: ac63afafb7 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 波琉架(プロフ) - やばい。真相知った時泣いた… (2017年10月7日 12時) (レス) id: 8121be56da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kokuma | 作成日時:2017年9月15日 21時