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あの衝撃はなんだったんだ。と理解できない頭をフル回転させ辺りを見渡すと
先ほどまでの平凡な景色が一変して
数ヶ月前フライトドクターをしていた頃よく見た悲惨な光景が広がっていた。
列車事故だ
救命医 としての血が騒ぐのが分かった
私に席を譲ってくれたあの親子は?
あの衝撃で立っていたあの2人は飛ばされているのかもしれない
救わなきゃ
ガラス片や、とにかく私の体に乗っている物を無我夢中で退かし
彼女たちを呼ぶ
「リサちゃーん!お母さーん!!」
「お姉ちゃん…」
と幸い近くから聞こえたリサちゃんの声
瓦礫を退かし彼女を診る。足は折れていそうだが幸い後はかすり傷程度だった
ポケットにしまっていた携帯を取り出し、自分の病院に電話をし救助要請をした。
「ママー!!ママー!!」
リサちゃんのお母さんの姿がない…
「リ、、サ」
リサちゃんがいた隣で壊れた座席下から声が聞こえた
埋もれているお母さんの姿が見えて必死でそれを動かしたが
「っ…」
左足に倒れた座席が食い込み出血している。
「ママー!!足血出てる…痛い?大丈夫?」
「大丈夫やで〜お姉さん救助が来るまでりさのことお願いします。リサは?大丈夫?」
「リサ足痛いー!ママー!!」
「リサちゃん、お母さん。私は羽鳥病院の医師です。治療道具は持ち合わせてないので確実な処置は出来ませんが、応急処置程度なら出来るので、救命が来るまで頑張りましょう。」
「お姉さんお医者さんなん…?」
そうだよ!と言いまずは近くにある機材と私が着ていたカーディガンでリサちゃんの足を固定する
お母さん方は止血するしか方法がない
すると他にも乗車していた人たちが
「あんた医者なん?助けて」
と言われ他の人を少しずつ救出し途中で見つけた自分のバッグからたまたま持ってた聴診器とペンを出し症状を見ては患者の手にメモを残す
リサ「お姉さん、ママが!!」
戻ると意識をなくしかけているお母さんの姿があった
「お母さん、もう少し頑張りましょうね!お名前と血液型言えますか?」
「篠山夏菜子、です、O型で、す」
たぶんこの調子じゃ救出まで時間はかかる。
ひと1人出る隙間もない。
知り合いの救命医に電話した
「その列車に私も乗ってて、目の前に重傷患者がいるの、20cmほど隙間があるからそこから救命パック渡してほしい」
電話を切ると
キューっといつも以上にお腹が張るのが分かった
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れな(プロフ) - 苗字が森澤でびっくりしました笑笑 (2018年8月7日 19時) (レス) id: 18c21e4147 (このIDを非表示/違反報告)
kokuma(プロフ) - あいさん» めちゃくちゃ嬉しい褒め言葉ありがとうございます(/ _ ; ) (2017年11月10日 9時) (レス) id: ac63afafb7 (このIDを非表示/違反報告)
あい - kokumaさんは話をつくるのがとても上手ですね!驚きました! (2017年11月10日 6時) (レス) id: 6208755813 (このIDを非表示/違反報告)
kokuma(プロフ) - 冷泉 波琉架さん» 物語に入り込んでいただけてとっても嬉しいです。ラストまでこんな感じで切ない展開が続く予定ですがお付き合い頂けたら嬉しいです^^ (2017年10月7日 14時) (レス) id: ac63afafb7 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 波琉架(プロフ) - やばい。真相知った時泣いた… (2017年10月7日 12時) (レス) id: 8121be56da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kokuma | 作成日時:2017年9月15日 21時