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25 甘い香りと残酷な真実 ページ26

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あれから言葉を詰まらせている私を見て耕作は


藍「…悪い。」


とだけ言った。


藍「手出して。」

「え?」


そう言いながら右手を彼の方に出す


藍「お前も何年も前の物まだ持ってたんだな」


そう言うと探していた あの指輪 を手の平に置かれた。


「あ!これ。…やっぱり耕作の家に落ちてたんだ」


よかった〜と言い彼の追求から逃れようと白石先生達のいるカウンターへ戻り

「大山さん!ヨギーパイン〜ヨギー多めで!」

なんて言って何事もなかったかのように振る舞う。



言葉に詰まって逃げて、自分のそんな不器用な所が嫌い

でもその不器用を隠すために、普通を装う私はもっと嫌い


大「あ!!ちょっとグラス倒さないでよ。あんた服大丈夫?」


ほらね。不器用なくせに普通に振舞おうとするから

焦って空振りするの

いつもそう。
耕作の為にって嘘を重ねたはずなのに、全然誰の為にもなってなかった。



甘い甘いヨギーパインが私のワンピースを濡らしてる。

あーこのワンピース高かったのになんてどうでもいい事まで頭によぎる


白「A?大丈夫?…」

緋「ちょっと!びしょ濡れじゃん!拭きなよ。藍沢も手伝って」

藍「おい!聞こえてるか?」



なんて声が遠くで聞こえる。

耕作から受け取った その指輪 とヨギーの甘い香りのせいなのか、私の固く閉ざされた心が柔らかく開こうとしていた



「私、何の為に皆を裏切って、関西に逃げたのかな…」


「私が殺したの。耕作と私の子ども」



私の服やテーブルを拭いていた、みんなの手が止まるのが分かった



「死んじゃった。私のせいで。
あと少しであの子は元気に生まれる予定だったのに。

あの時私が何よりも子どもを優先していたら、今あの子は可愛い6歳の女の子になってた。

耕作に似て綺麗な顔でモテモテだっただろうな


でも私のせいで、必死で生きた小さな命を救えなかった

26週と3日。これが彼女の生きた日数。救えるはずだった。元気に産んであげる予定だった」


皆黙ってる。なにも言えないんだろうな

沈黙を破ったのは産科医をしていた彼女だった。


緋「早産だったの?」



「ううん。それだったらまだ救えたかもね。私の心も。
…彼女を救えなかったのは、7年前、関西に移動して数ヶ月がたった初夏だった。」




____________________
作者

回想多めでごめんなさい。
次回真相が明らかになります。
更新続けて頑張ります

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設定タグ:コードブルー , 藍沢耕作 , 山下智久   
作品ジャンル:恋愛
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れな(プロフ) - 苗字が森澤でびっくりしました笑笑 (2018年8月7日 19時) (レス) id: 18c21e4147 (このIDを非表示/違反報告)
kokuma(プロフ) - あいさん» めちゃくちゃ嬉しい褒め言葉ありがとうございます(/ _ ; ) (2017年11月10日 9時) (レス) id: ac63afafb7 (このIDを非表示/違反報告)
あい - kokumaさんは話をつくるのがとても上手ですね!驚きました! (2017年11月10日 6時) (レス) id: 6208755813 (このIDを非表示/違反報告)
kokuma(プロフ) - 冷泉 波琉架さん» 物語に入り込んでいただけてとっても嬉しいです。ラストまでこんな感じで切ない展開が続く予定ですがお付き合い頂けたら嬉しいです^^ (2017年10月7日 14時) (レス) id: ac63afafb7 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 波琉架(プロフ) - やばい。真相知った時泣いた… (2017年10月7日 12時) (レス) id: 8121be56da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:kokuma | 作成日時:2017年9月15日 21時

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