1 恩師からの頼み ページ2
むし暑夏の始まり
今日から私は翔北の救命センターの医師として勤務する
「あーあつい。ジャケットいらなかったかな〜」
白シャツに黒のテーパードパンツ
そして気合を入れる時必ず履くルブタンの黒いパンプスをみに纏い
懐かしの 翔陽大学附属北部病院 を見上げる。
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数週間前
「あー疲れた…私外来担当なんだけどな〜」
一人暮らしにしては少し大きめのソファーにどかっと座りながら独り言
今日は救命が忙しそうで外来終わりでコンサルされた
ここの所そんな日々が続いていて
. あーヘリ乗りたいかも、、、
なんてビールを片手に7年前を思い返すことが増えた
ブーブー
こんな時間に誰!と思いながら
着信を知らせる画面に映った名前にギョッとしてビールを落としかける
橘先生
橘__おっ!出た出た!久しぶりだな〜森澤
__橘先生、、お久しぶりです。どうされましたか?
橘__どうだ?そっちは
__どこ行っても救命は忙しそうですよ
橘__…そろそろ外来担当も飽きたんじゃないか?
橘先生が真剣なトーンで話してくる、、
次に出てくる言葉が予測出来たが、私は、、、、
__先生、私帰る気ないですよ?
橘__翔北に戻ってくれないか?人手が足りてない。それと、救命に緋山と……藍沢が戻ってくる。
あい、ざわ、、、ドクンと心臓が波打つのが分かる
忘れたくても忘れられない人
私の、私の大切___だった人
橘__そろそろいいんじゃないか?いつまでそうしてるつもりだ。
グサリ、グサリと橘先生の言葉が私の体に刺さる
__先生、私、前を向きたいです
そう言うと、太ももにポタリポタリと……
あー私泣いてる、、ずっと誰かに背中を押して欲しかったんだ
橘__おいおい泣くな〜!待ってるぞ
はいと声を震わせながら電話を切るととめどなく溢れる涙
声を押し殺しながら、クーッとビールを飲み干しTVボードにあるアクセサリーBOXを見つめる
___これ……誕生日プレゼントだ
___え!指輪、!?
___いつかちゃんとしたやつ買ってやる
___耕作…ありがとう!ネックレスに通して毎日身につけるね!
彼にもらったeteのファッションリング
7年前のあの日、首にあった それ をこのBOXにしまったんだ
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「 ただいま…翔北」
パンツのポケットに入ったあのリングを握り締め呟いた
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れな(プロフ) - 苗字が森澤でびっくりしました笑笑 (2018年8月7日 19時) (レス) id: 18c21e4147 (このIDを非表示/違反報告)
kokuma(プロフ) - あいさん» めちゃくちゃ嬉しい褒め言葉ありがとうございます(/ _ ; ) (2017年11月10日 9時) (レス) id: ac63afafb7 (このIDを非表示/違反報告)
あい - kokumaさんは話をつくるのがとても上手ですね!驚きました! (2017年11月10日 6時) (レス) id: 6208755813 (このIDを非表示/違反報告)
kokuma(プロフ) - 冷泉 波琉架さん» 物語に入り込んでいただけてとっても嬉しいです。ラストまでこんな感じで切ない展開が続く予定ですがお付き合い頂けたら嬉しいです^^ (2017年10月7日 14時) (レス) id: ac63afafb7 (このIDを非表示/違反報告)
冷泉 波琉架(プロフ) - やばい。真相知った時泣いた… (2017年10月7日 12時) (レス) id: 8121be56da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kokuma | 作成日時:2017年9月15日 21時