【Ⅰ－Ⅰ】【Kind-Ｈearted GIRL 【ハリー・ポッターと賢者の石】 (ページ17)

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オリバンダーの店__紀元前三八ニ年創業高級杖メーカー、と金色の文字で扉に書いてある

中に入るとチリンチリンとベルが鳴った。

店な店内に古くさい椅子が一つだけ置かれていて、天井近くまで整然と重ねられた何千という細長い箱、ほかは__と考えていたら「いらっしゃいませ」と柔らかい声をかけられた、振り返ると老人が立っていた。

「あ、えっと………」

「あなたは、キョウコ•ツキナリとアコーニト•バーンスタインの娘じゃな？」

「えっ…父さんたちの名前…なんで知って…」

「あの子たちがここに来て最初の杖を買っていったのがほんの昨日のことのようじゃ。

アコーニトとキョウコは元気にしてるかぇ？」

「い、いえ…。

離婚、したので…」

「なんと、あんなに仲睦まじかったのに、惜しいことをしたのぉ

しかし、キョウコの杖は十九cmの長さ、ブドウの木で出来ていて良質で頑固、変身術にはピッタリの杖じゃった

アコーニトの方は二十七cmの長さ、イトスギの木でできていて、妖精の呪文にはピッタリじゃ、だがアコーニトは、のぉ…………」

そこで初めてオリバンダーは言葉を濁した

「いや、なんでもありませんよ。ホシヅキさん。それでは拝見しましょうか

どちらが杖腕ですかな？」

「杖腕？」

「マグルの世界では利き腕と言ったでしょうか」

「利き腕…あ、えっと右手です」

「腕を伸ばして、そうそう」

オリバンダーの言うとおりにすると肩から指先、手首から肘、肩から床、膝から脇の下、頭の周りと測った。

測り終わるとオリバンダーは天井近くまで積み上げられた箱の方へ向き直り、言葉を続けた

「ホシヅキさん、オリバンダーの杖は一本一本強力な魔力を持った物を芯に使っております。

一角獣(ユニコーン)のたてがみ、不死鳥の尾の羽、ドラゴンの心臓の琴線。一角獣も不死鳥も、皆それぞれ違うのじゃから、オリバンダーの杖には一つとして同じ杖はない。

もちろん、ほかの魔法使いの杖を使っても、決して自分の杖ほど力は出せないわけじゃ」

「自分だけの…杖」

「そうじゃ、おっとあった

これをお試しください、ハンノキの木にドラゴンの心臓の琴線、二十五cm、忍耐強くしなりが良い」

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