コイツの主役は我々だ (男主) (ページ33)

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雨ページ33

シャオロンside

戦争が始まり、はや３時間。

もうすぐ夜明けと共に、戦争が終わる。
短時間で終わるこの戦いは、どちらに軍配が上がるのだろうか。

要塞前では、遠くの方で鳴る銃撃音、爆音が響いている。

空は、炎の反射で真っ赤に燃え、平和とはいえない景色が広がっている。

あそこまで来られているならばAの隊はどうしたのだろうか。

無事に生き残れているといいが…。

いつの間にか、我々の仲間に入り大事な家族のように扱っていたA。
何をするにも、自分を下に考えてしまう彼が、仲間を庇って無駄に怪我を負ってはいないだろうか。

物思いにふけっていると、街で音を立てて何かが倒れた。

街の建物が、次々と崩れ落ちていたのだ。

禍々しい光景に、目を伏せると手のひらに、雨粒が一つ。

見上げれば、次から次へと降り続き、街の火を消していく。

「各員に告ぐ。…我々とエイリアンとの戦いは終戦を迎える。」

聞こえてきたのは、途切れ途切れのグルッペンの声だった。

「諸君、よく戦ってくれた。総員森の入口まで集まるように」

こんな時にも、業務的だ。

グルッペンの言う通りならば、我々の勝利なのだろうか。

数名の兵を連れ、俺は森へ向かった。