コイツの主役は我々だ (男主) (ページ15)

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開戦の合図ページ15

グルッペンside

思っていた以上に、Aの自虐的な思考は定着されていた。

もともと、素直に言うことを聞くような優しい子だったのだろう。

別室で、ベッドに横になるAを見てため息を一つ。

まだ成人にも満たない彼は、やはりまだ他人に完全に心を預けることが出来ないのだろう。

俺に背を向けないように、壁を背にピタリとつけて様子を伺っている。
その様子がとても痛々しくて、生々しくて、何か救済の手立てはないかと考える。

「失礼するでー」

どこかで聞いたような言動に、顔を上げるとやはりトントンだった。

トン氏は、片手に書類を持っている。
また追加の書類かよ…。と考えている間に、あらかた片付いている机に、書類が置かれる。

「隣国がやられた。直にうちへ来るで」

忘れた頃にやってくる。といったところだろうか、正直忘れ去って、存在ものとも消してしまいたいほど忌まわしい、未確認生命体との開戦の合図だった。

「隣国の状況は。」

「今現在、交戦中。押してるって聞いたけど、3日保ったら上出来くらいかな。まぁお隣さんは土地も広いし、軍備も整った大きい国やから来月あたりには射程圏内には来るんちゃうか」

マシンガンのように言い切ると、

とりあえず、装備の補充と交戦の準備をする。

と早々に部屋を出ていってしまった。