俺の仕事 ページ2
ある晴れた日。
いい天気で、昼寝をするには丁度いい。
温かい陽の光を浴びながら、大きな拠点の廊下を歩く。
手にはいっぱいの資料。
前が見えなくなるくらい積まれた紙は、未確認生物の調査書だ。
彼らに対抗する術を人類は知らないので、こうやってひたすらに文面に起こすしかないのだ。
大きな扉の前に着く。
なんとかノックをすると、扉の奥から「入れ」と小さく聞こえる。
「失礼します」
扉を開くと、大きな机に向かい、さらさらと筆を進める男性。
綺麗な金髪を片方だけ無造作にかきあげている。それさえも格好よく決まってしまうような美形。
メガネの奥の瞳は、俺を映すと柔らかくなった。
「A、悪いな。」
「いえ、今日の分は一昨日交戦した〇〇国と△△国の資料です。」
机の上に、どさりと置くとふいに頭を撫でられる。
急な感触に、ビクついて一瞬で我に返る。
俺の頭をぐりぐりと撫で付けるグルッペンさんは、何もかも見透かしたように笑った。
「そんな驚くな。 お前に害をなす敵は、ここにはおらんよ」
「す、すみません。」
グルッペンさんは、まるで俺を絆すように優しく、力強く撫でてくれていた。
「なんや、お前また寝てないんか。…まぁ、寝る時間もとれてないんやろうなぁ。」
「グルッペンさんも、そう変わらないですよね。 あの生物を倒すまでの辛抱です。」
「お前は、寝んと集中持たんやろ。俺はあと2日くらい寝んでも平気。 午後は特になにもないやろ? 少し寝ておけ」
ぺこりと一礼すれば、おやすみと手を振られる。
先ほど歩いた道をひたすらに引き返しながら、なにも考えずぼーっとしていた。
110人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ももすけ | 作成日時:2017年9月15日 20時