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『…すみません』
「なにが」
『いえ、…うっちーさんは戻らなくていいんですか？』
ナギちゃんのかわりに隣に並んだうっちーさんは相変わらずちょっと怒ったような顔のまま洗い終わった食器を拭いていくから、
その手のスピードに負けないように必死にスポンジを擦り付ける
「べつに花火したいわけじゃないし」
『わたし、大丈夫ですよ、ほんと。ナギちゃん手伝ってくれたので！』
流しの中にいっぱいだった食器はもう結構片付いてて、
「…うるさい」
『ありがとう、ございます…』
それでも手は止めないうっちーさんに、小さく零したお礼。
ナギちゃんがいた時より随分静かなそこは、水道から水が流れる音だけが響く。
「…気づかなくて、ごめん」
『え？』
「誘ってもこなかったっていってたから」
ナミさんたちにそう言われたのかな？
ちょっと気にしてくれてたんだ、なんて、
やっぱり優しいや、うっちーさん。
「いやなことはいやって言わないと」
『は、い』
「あいつら気強いからまけるよ」
『負けるって、』
鼻で笑ったうっちーさんに頭をぽんってされて、
『…やっぱり、やさしい』
「はやくして」
『はい、すみません』
うっちーさんの横顔を見上げてそう言えば、
ちょっと照れたように視線を逸らすから、思わず上がった口角。
「…ニヤニヤすんな」
『ばれました？(笑)』
「よわむし」
『う、…精進いたします、』
私の言葉にちょっとだけ手の動きを止めたうっちーさんの右眉がピクって動いて、
もしかして精進の意味、わかんない？なんて、
『…うっちーさんって、ちょっとおバカですか？』
「だまれ」
『いった！！』
ぐーにした拳で頭をぐりってされて、図星じゃんって。
痛いなって頭を押さえてうっちーさんを見上げれば、
「あわ、ついてる」
『っ、』
伸びてきた手に優しく拭われた目元と、ふわって柔らかく笑ったうっちーさんの顔に
だから、なにドキドキしてんだ、わたし。
酔ってないはずなのに、赤くなる気がする頬と、きゅんと揺さぶられた心臓に、ぎゅっと唇を噛み締めた。
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ゆう - このお話が大好きで未だに何度も読み返しています。アオさんの紡ぐお話をまた見れる日が来るかは分かりませんが、今でもずっとだいすきなお話です。 (12月25日 15時) (
レス) id: 9b89e968b5 (このIDを非表示/違反報告)
ちぴ - お話終わってしまったんでしょうか？続き気になります＾＾ (2022年8月6日 3時) (レス) @page24 id: d3cdc5c0b2 (このIDを非表示/違反報告)
りぴ(プロフ) - はじめましめ！おはなし一気に読まさせて頂きました。本当に描写も言葉も引き込まれる作品で、この作品の虜になりました！もう更新はされないのでしょうか、、？（ ; ; ） (2022年1月29日 23時) (レス) id: 46981ee839 (このIDを非表示/違反報告)
爽 - 更新ずっと待っていたので嬉しいです！ (2021年11月20日 21時) (レス) @page24 id: 034faa10a9 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 初めまして。更新ずっと待っていました！☺︎アオさんの書くお話が1番好きなのでこれからも楽しみにしています！ (2021年9月19日 22時) (レス) id: 334d2140a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオ
| 作成日時：2021年2月12日 4時
