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「ふー……」
髪から滴る水を拭きつつ、俺は深く息を吐いた。
「ねーちゃん、次風呂」
ソファで寝転びながらファッション雑誌を読んでいる姉に声をかけ、自室へと足を向ける。まだ足が湿っているせいか、フローリングを歩く度に床が張り付いてくるような感覚がした。
「疲れたー……」
自室の扉をあけるとすぐに俺はベッドへ倒れ込んだ。その反動でぎしりとベッドが軋む。
案の定、今日の後半は全てストバスに費やされ日が落ちた頃に解散となった。
相変わらず青峰っちには一勝も出来ず今日も悔しい思いをして帰ってきた。あともうちょっとな気がするんスけど、そのもうちょっとがなかなか埋まらないんスよね。
「はー、どうやったら青峰っちに勝てるんだろ……」
そんなことを呟きながら何気なくスマホへ手を伸ばす。画面をつければ、ロック画面にAからの新着メッセージ通知がきていた。
『今日、いいの見つかった?』
普段は俺から連絡をとることが多いから、こんな些細なメッセージでもかなり嬉しかったりする。
『うん!ばっちしカッコイイやつ買ってきた!
スポーツショップ行ったあとは皆でストバスしたりして、結構楽しかったっスよ。また青峰っちに勝てなかったっス〜っ(> <)』
そうメッセージを返していたら、急に自室の扉が開いた。
「ケータイ貸して」
ノックなしでしかも下着姿でズカズカと部屋に入ってきたのは俺の姉だった。
「な、なんでだよ、嫌っス」
「ケータイどっかいったの。だから私のケータイにかけて欲しいんだって」
「あー……そういう事ね」
渋々、姉にケータイを渡す。
「ん?誰このAって」
「うわぁあああ!?」
しまった、まだチャットアプリ開きっぱなしだった。つまり、画面をつければすぐに彼女とのトーク画面になる訳で。
「へぇ、涼太のカノジョ?」
ニヤニヤと姉が口元を歪ませる。
姉から悪魔の角と尻尾も見えるような気がした。
「写真ないの?」
「あっても絶対見せないっス!!」
「あ、写真フォルダにツーショ発見ーっ、この子がAチャンねぇ?」
「人のケータイ勝手にいじるな!!要件はねーちゃんに電話かけるだけだろ!!」
このあと、もう一人の姉にもAのことをバラされ、からかわれたのは言うまでもない。
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辻村行人(プロフ) - とても面白いです!お体に気をつけて更新頑張ってください! (2019年6月30日 5時) (レス) id: dc0e03a692 (このIDを非表示/違反報告)
Flower*(プロフ) - 美紀さん» 美紀様、コメントありがとうございます。お返事大変遅くなりました。本当に申し訳ないです……。黄瀬くんいいですよね!更新止まってしまっていてごめんなさい。はやく完結させられるように頑張ります……っ (2019年6月13日 14時) (レス) id: 4d95f4e8a2 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 涼太君大好きです最高です (2019年3月10日 15時) (レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
Flower*(プロフ) - 楼莉さん» 楼莉様、コメントありがとうございます〜!黄瀬くん可愛いと言っていただけて本当に嬉しいです!私事ですが、楼莉様の「ケンカップルが通る」を読ませていただいています。真ちゃんと主人公ちゃんのやり取りが本当に可愛くて……。お互い更新頑張りましょうね(o´・ω-)b (2018年7月23日 14時) (レス) id: 4d95f4e8a2 (このIDを非表示/違反報告)
楼莉(プロフ) - 黄瀬くんがすっっっごく可愛いです!!!今後も楽しみにしてます! (2018年7月22日 18時) (レス) id: 7ad08e5261 (このIDを非表示/違反報告)
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