落し物と恋心 ページ1
朝、鳥の声で目を覚ますなんて小説じみたことが起こるわけでもなく、母の声で起きた私。
寝癖の着いた頭で欠伸をしながら挨拶をすれば、無言で母はテレビを指さした。
天気予報。
今日は曇りか、新学期から嫌な天気だな。
そして自然と目はテレビ画面の左上、時計へと移った。
8時3分。たしかにそう表示されていた。
もう一度言う、8時3分だ。
私の学校は8時30分までに校舎に入らないといけない。
そして少なくともここから学校まで歩いて30分はかかる。
「…お母さん、今日自転車って…」
「お兄ちゃんが乗ってたわよ。」
あんの、クソ兄貴…!
脳裏に私を馬鹿にしたように笑う兄の姿が過ぎって、慌てて頭を振る。
それからはもう文字通り秒だった。
私こんなに早く動けるんだって、16歳の春にして初めての事実。
なら体育でももっと動けるじゃん、と訳の分からない理屈を考えながら急いで家を出た。
少女漫画チックに食パンを加えるなんてことはせず、一目散に駅に向かう。
新学期に遅刻とか、本当に笑えないから。
全力で走り、なんとか間に合いそうだなって思ったけどきっと明日は筋肉痛だ。
頭の良さも、運動神経も全て兄に取られてしまった私は明日地獄を見ることになるんだろう。
357人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さやか - 更新楽しみにしてます!!今一番大好きな小説です!次の展開が楽しみです!!! (2020年3月11日 3時) (レス) id: c6815205a2 (このIDを非表示/違反報告)
しちみ - 毎日投稿されるのを楽しみにしてます!! (2020年3月7日 1時) (レス) id: 50d56e7659 (このIDを非表示/違反報告)
ミスト(プロフ) - sachiko88さん» ありがとうございます! (2020年3月2日 19時) (レス) id: 7c4afbf00c (このIDを非表示/違反報告)
ミスト(プロフ) - まるさん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年3月2日 19時) (レス) id: 7c4afbf00c (このIDを非表示/違反報告)
ミスト(プロフ) - sachiko88さん» ありがとうございます! (2020年3月2日 19時) (レス) id: 7c4afbf00c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミスト x他1人 | 作成日時:2020年2月2日 21時