○ ページ20
「あー、めっちゃ良い奴だよな。」
「話逸らすなよ。」
俺ら2人にはあまりない、真剣な雰囲気。
こういうときの慎太郎は少し苦手。
全部見透かされそうな気がする。
「好きじゃねえよ。良い友だち。」
「そっか。」
体育館までの道のりは、こんなにも長かったのか。
はしゃごうにもはしゃげる感じじゃないし、黙ったまま体育館へ足を進める。
「まだ好きなの？」
慎太郎の言葉に足が止まる。
『ジェシー、大好き！』
『私にはもう、ジェシーしかいないよっ…』
『ごめんねえ、私好きな人できたから。
もうあなたは用済み。じゃあね？』
脳裏で再生される、あのときの記憶。
憎い、恨めしい、だけど大好きで、一生かかってもこの人以上に好きになれる人は現れないってくらい大切にしてた人。
いま嫌いか、って聞かれたら素直にはいと答えられない。
それはまだ俺の中にあいつへの気持ちが残っているから。
「好きだよ、俺は。」
「あの女の何処がいいんだか、俺には分かんないね。」
普段の慎太郎からは想像できない発言と、怒りに満ちた目。
友達思いの慎太郎だから俺の心配をしてくれてるんだろうけど、好きな人を悪く言われるのは誰だって嫌だろう。
「やめろよ慎太郎。」
「…ごめん。」
俺、先生に呼ばれてた！なんて見え透いた嘘をついて走っていった慎太郎。
走っていった背中は、やがて見えなくなる。
それだけのことなのに、俺らの心の距離まで開いた気がした。
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さやか - 更新楽しみにしてます！！今一番大好きな小説です！次の展開が楽しみです！！！ (2020年3月11日 3時) (
レス) id: c6815205a2 (このIDを非表示/違反報告)
しちみ - 毎日投稿されるのを楽しみにしてます！！ (2020年3月7日 1時) (レス) id: 50d56e7659 (このIDを非表示/違反報告)
ミスト(プロフ) - sachiko88さん» ありがとうございます！ (2020年3月2日 19時) (レス) id: 7c4afbf00c (このIDを非表示/違反報告)
ミスト(プロフ) - まるさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2020年3月2日 19時) (レス) id: 7c4afbf00c (このIDを非表示/違反報告)
ミスト(プロフ) - sachiko88さん» ありがとうございます！ (2020年3月2日 19時) (レス) id: 7c4afbf00c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミスト x他1人 | 作成日時：2020年2月2日 21時
