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千冬side




タケミっちの家を出て、次の場所へ目指す。
俺が向かう場所は郵便局。

招待状を送るために行くのだ。

本当は直接会って渡したかったけど、
Aさんもいないし、みんなの家に回るのは大変だから、
申し訳ないけどこれで許してもらおう。








歩きながらふと思う、

俺、Aさんと結婚するんだって、

まだ少し実感は湧かない、

けどこれが本当の、初恋が実るってやつなんだよな。











郵便局に着いて、招待状を送る人を確認する。

『えっと…、

佐野、龍宮寺、三ツ谷、場地…、羽宮…、
一虎くんは直接でいけるか…。』

自分で言うのも可哀想だけど、俺はタケミっちほど
仲のいい人は多くいない。

式場もそこまで広くはないところにするし、
少ないけどこれくらいでいいや。

本当に親しい人たちだけに来て欲しいから。

『これで、お願いします。』

そう言って郵便局の人に招待状を手渡した。

溝中四人衆も招待したいな…、けど住所がな、

最近会えてないけど、お世話になったから来て欲しいな。
俺に彼女ができたこと、何ひとつ伝えてなかったから、
どんな反応してくれるか楽しみなんだよな。

山岸とマコトとか、すっげー反応してくれそう。

あぁ、久々に会いてぇなあ。

すると、俺のスマホが音を鳴らした。

画面を見れば電話の着信。着信主は一虎くん。

『…もしもし?』

一虎「あ、良かった出た。」

『どうしました?』

一虎「A、今店いるけど。」

『え?』

一虎「え、だから、店いるよ。A。

学校の終わりにたまたま用あってここら辺通ったから、
千冬に会えるかなとか言って来た。」

『まじすか待ってください飛ばしていきます』

一虎「法定速度は守ってこいよー」

まじか、んなの聞いてなかったし予想外。

とりあえず俺は自分の家まで急いだ。
もちろん、法定速度は守って。
















『Aさん!』

「千冬くん!」

一虎「おーきたきた」

ほんとに来てた…!まじか…!

「千冬くん、何してたの?」

『俺は招待状を郵便局に…あ。』

そうだ、一虎くんに渡さないと。
Aさんも一緒だしちょうどいい。

『一虎くん、これ受け取って下さい。』

一虎「ん?



…え、招待状?ま?」

『まじです。』

「良かったら来てね。」

一虎くんは招待状を受け取って、招待状を見ながら
呆然としていた。

だけどすぐにこちらを向いて、

一虎「ぜってえいく!楽しみにしてるな!」

そう言って笑ってくれた。





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作者名:えび天 | 作成日時:2023年9月13日 23時

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