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千冬side




『あ…、ありがとうございます、』

「ありがとうございます…、」

俺たちは一瞬にしてその場の人気者となった。

そして、
色んな人達がプロポーズの写真と動画を送ってくれた。

たくさんの人のお祝いの言葉を受け取って、俺とAさんは
俺の車に戻るため、駐車場へ向かう。

2人で歩きながら、貰った写真を見ていた。
その写真たちのなかでも、俺がひとつ、
特別惹かれる写真があった。

それは、俺たちの真横からのアングルで、
背景には綺麗な夜桜。

俺が花束を持って、指輪のケースを開けて、
Aさんにプロポーズしている時の写真。

Aさんもちょうど、口元を抑えて驚いてる時だ。

『…これ、すっげえいい写真っすね』

「…ふふ、ほんとだ。

松野くん、私にもこの写真送って!」

『あ。』

「え?」




そうだ、思い出した。




『Aさんももう松野になるんですから、
松野くん呼びは控えた方がいいですね。』

「あっ……、」

Aさんは俺の言葉に顔を赤く染めた。

「…そうだね、じゃあ千冬くん?」

『……』


まじ?


いやいやいや、1回だけ学生時代に呼ばれたことあったけど、
あんなんナンパ追い払うためだけのためだったし、
こうやって本当に呼ばれたのは初めてだし、
でも千冬くんの呼びってやばくないか?
これから家に帰ったらこんな可愛いお嫁さんいんの?は?


「おーい、千冬くん?大丈夫?」

『あっ、すいません、大丈夫っす』

っぶねー、連れてかれるとこだった。

こんなこと考えてる暇ねえな、話し合わないと、

『Aさん、式はどうしますか?』

「それね…、私も思ってた。

出来ることならしたいけど、お互い忙しいでしょ?」

『そうっすね…、』

「だから、写真撮影だけでもしたいなって。」

『写真撮影、すか?』

「うん、ウエディングドレス来て写真残したいの。」

『それ、いいすね、』

「でしょでしょ!

式ももちろんしたいけど、するってなったらまた大変だし、
写真撮影だけならすぐにでもできそうじゃない?」

とは言うものの、やはり結婚式は人生において
すっげー大イベントだと俺は思う。

「欲を言ってもいいなら…、したいけどね、」

『じゃあしましょう。』

「えっ、」

『結婚式、しましょう。』

「で、でも、」

『俺だってしたいです。
だったらするしかないじゃないですか。』

したい、したいに決まってる。
人生でたった1度の結婚。

世界で何よりも愛してる人との結婚だから。





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作者名:えび天 | 作成日時:2023年9月13日 23時

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