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千冬side




今日はついにプロポーズの日。
もう日は沈んできている時間帯だった。

A松野くんどこにいるー?

ごめんなさいAさん…!
サプライズのために、俺は遅れていくのだ…!

千冬すみません少し遅れます!
そこ、確か座れるとこありますよね!
座って待っててください!


そう、このために俺はこの場所を熟知した…!
座っているAさんの後ろから俺は登場して…、
そこからプロポーズをする!!!

指輪OK!花束もOK!

花束はさっき買った。
ピンクと白系統の、花言葉も素敵な花束。

バレないように大きめの紙袋に忍ばせて、

さあ行こう、

Aさんは待ってる。















ちゃんと座ってくれているAさんを見つけた。
夜桜は既にライトアップしていて、そんな光に囲まれた
Aさんは何よりも美しかった。

『…Aさん、』

俺がそう呼べば、くるっとこちらに顔を向けてくれた。

「松野くんっ!」

座っていたAさんは、俺の存在を見つけた瞬間、
スマホも荷物も、全部置いたまま俺の方へ小走りで来て、
そのまま抱きついてきた。

10年付き合ってるけど、まだ慣れない。

「あははっ、久しぶりの松野くんだ〜!」

愛おしい、

俺は優しくAさんを抱き締め返した。

『ほんと久しぶりですね!』

「うんっ!嬉しい!」

ここは一応、一応公共の場。
夜桜が見れるっていう公共の場だ。

とりあえず久しぶりに会えた気持ちを押さえつけて、
2人でベンチに座った。

「すごい、夜桜きれ〜…。」

『すごいですね…、』

夜桜なんかより、Aさんの方が綺麗だけど、

「…10年だね、」

『…!』

「早いねぇ、」

『…ですね、』

……これは、プロポーズの流れなのでは?

Aさんのおかげで自然とプロポーズに入れる気がする!

『……あの、Aさん、』

「うん?」

『俺、大事な話が「あれ?」









「松野とA!」

こいつは確か…、

『さ、佐藤…』



佐藤「お前らまだ一緒なん?」

俺は勢いよく立ち上がった。

『てめー殴んぞ!』

佐藤「なんでだよ!」

『なんでいっつもタイミング悪いんだよ!

今まで会うこと無かったのになんで…!』

佐藤「世間せめぇなー」

そういう話じゃねえ…!





佐藤「…え、まさかプロポーズとか?」

『は?』

佐藤「やべー!プロポーズ現場だ!」

佐藤のそんな言葉に周りの人たちが振り向く。

Aさんのきょとん顔。

これ、やばい?




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作者名:えび天 | 作成日時:2023年9月13日 23時

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