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千冬side




「あ〜っ!楽しかった〜!」

けど疲れたかも〜と言って、
俺の車の中でぐったりするAさん。

そりゃそうだ、疲れるに決まってる。
なかなか着ないドレスを何着も試着したんだから。

『はは、お疲れ様です。披露宴が楽しみですね。』

「うんうん!ほんと楽しみー!」

もう時間も遅くなってきたし、Aさんはまた
明日も学校だろう、もう返してあげないと。

俺は車でAさんの実家へ向かう。

そういえば……、

『Aさん、なんで学校行ってるんでしたっけ。』

「えぇ〜…。」

ちょっと悩みながら、そんな声を漏らした。

「秘密って行ったら怒る?」

『いや、怒りはしないですよ。ただ気になったから。』

「んー、じゃあまだ秘密!」

人差し指を口に当ててそう笑うAさん。
もう可愛すぎるから別にいいや。
まだ、って言ってるし、いつか知れるだろう。

「千冬くん、また明日も仕事?」

『あーはい、そうですよ。

だけど明日は一虎くんも入ってくれるので、
まだ楽な方ですね。』

この前みたら品物の発注も大丈夫そうだったし、
清掃もまあどうにかなるでしょ。

「そうだよね、羽宮くんもいるんだもんね。」

『はい。結構いい動きしてくれるんですよね。』

一虎くん、意外と動物と扱いもいい感じだし、
たまに面倒くさそうな顔しながらやってるけど、結局は
最後までちゃんとやってくれるからすげー有難い。

『Aさんも学校?』

「そうだよ〜。」

『大変っすね。』

「まあね、でも楽しいからいいの!
それに、多分もうすぐで終わりだから。」

『…?

へえ、じゃああとちょっとの辛抱っすね。』

「そうなのー!」

あとちょっとで終わり…?
何かしらの資格が取れるってこと?

よくわかんないけど、まあいいか、

『あ、着きましたよ。』

「ほんとだ!

今日はたくさんありがとう!」

『いえいえ、こちらこそです。』

Aさんが車から降りて、玄関から手を振ってくれる。

すっげーかわいい。何あの優しい笑顔は。

そんなAさんを見て、自然と笑を零しながら、
俺も手を振り返した。

そして、Aさんが家の中に入ったのを確認してから、
俺は車を動かした。

時間というのは思ったより早いものだ。
実はもう結婚披露宴の計画は整ってきていた。

それに今日ドレスも決まったし、結婚披露宴当日は、
きっと早くても2、3ヶ月後になるだろう。

考えるだけで心拍数が上がる。

今から緊張すんのは、早すぎだろ、俺…。




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作者名:えび天 | 作成日時:2023年9月13日 23時

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