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千冬side





『はぁ〜…、』

一虎「店長またため息かよ」

開店前。

一虎くんと店の掃除中に俺はまた、
クソデカため息をついてしまった。

だけどそれはしょうがなくないか…!?

だって…!!!

『Aさんから返信こない……』

一虎「えぇまじで?それは心配かも。」

『もう開店する気力もない…』

一虎「困るよ店長」

そう、記念日空いてるかを聞いたんだ。
だけど返信が来ない……!

一虎「どれくらい来てねぇの?」

『でも…1日ですかね…、』

一虎「ふーん」

『いつもは遅くても2時間で帰ってくるんです…』

それに、夜の方が返信してくれる率が高い。
だから夜送ったのに、まだ返信が来ない。

一虎「…まあ来るだろ、」

『ですよね…、俺も信じて待ってます。』

何か問題に巻き込まれてたり…?
いやいや、そんな風に考えるのは辞めよう。

すると、









『っ来た!!!』

一虎「えっ」

俺のスマホが音を鳴らした。

まさかとは思い、画面を見てみると、
それはAさんからの連絡だった。






A記念日はもちろん空いてるよ〜!






『はぁぁ…!!!』

良かった…!!!

A連絡遅くなってごめんね、学校の課題に
追われてたの〜泣


『なんだ、そういうこと…!』

一虎「なに?」

『専門学校の課題に追われてたみたいです、』

一虎「そっかー、忙しいねー。

なに、なんか資格でも取んの?」

『いや、それが秘密にされちゃって…、』

一虎「えー」

『多分、そうだと思うんですけど』

とにかく、連絡来て安心した……!!

『ほら一虎くん、開店する気力ないなんて
変なことほざいてないで早く店開けますよ!!』

一虎「おめーが言ったんだろ!!」

良かった…!安堵…!

記念日空いてなかったら俺のサプライズプロポーズ計画は
一瞬にして崩れ落ちてた…!!

一虎「ま、良かったんじゃん。」

『…!』

一虎「返信きて安心したろ?

しかも、記念日もちゃんと空いてたんだから、

これで頑張れるな。」

『…は、はい…!!』

一虎「サプライズプロポーズ、ぜってぇ
成功させようぜ!!」

「………はい!!!」

全く自分のことじゃあないのに、一虎くんは
こんなにも楽しそうに言ってくれる、

これは俺も頑張らなくては、

そう思いながら、俺は店のシャッターを開けた。

すると、一気に陽の光が店内へと射し込んだ。






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作者名:えび天 | 作成日時:2023年9月13日 23時

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