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千冬side




あれから10年のときが経った。

俺は髪の毛を黒く染めて、現在は一虎くんと一緒に
ペットショップを経営していた。

一虎「千冬〜、これどうする?」

何か、紙を持った一虎くんは俺に聞いてきた。

一虎くんの手にある紙は、多分、俺の大事な資料だ。

『あ、俺の机に置いておいてください。』

一虎「へ〜い。」

『すみません、ありがとうございます。』













………Aさんに告白してOKをもらったあの日。

俺は鮮明に覚えてる。

Aさんの目の前で泣いたのも、全部。
逆に忘れるわけがなかった。

あれから、Aさんはとある高校へ。
俺も同じ高校に行きたかったけど、学力も足りないし、
一応不良、っていうのもあって、タケミっちと同じ高校に
入学した。

高校が違くても、週に何回か会いに行ったし、
俺たちが互いに離れることも、冷めることもなかった。

それからまた時は流れて、Aさんはある専門学校へ
入学したらしい。

理由を聞いたけど、上手く秘密にされてしまった。

『はぁ〜…、会いてぇよ…、』

一虎「店長がそんなため息つくなよ。」

『俺そろそろ考えてるんですよね…』

一虎「何をだよ」

『もうすぐ付き合って10年の記念日だし…』

一虎「それはまじですげー、おめでとう」

『プロポーズ、しようと思ってて…』

一虎「へー、プロポーズ?いいじゃん。







……え、プロポーズ?」

一虎くんはバッとこちらを見てきた。

一虎「……ガチ?」

『んな冗談言いませんよ』

一虎「…サプライズ?」

『うーん…、まあそんなとこすかね…、』

そう、俺は、

10年記念の日にプロポーズしようと考えているのだ。

花束と…、結婚指輪も一緒に…、

予定は東京の、夜桜が綺麗な場所で…!

一虎「指輪のサイズは?どーすんの?」

『こんなこともあろうかと親友代表である
ヒナちゃんエマちゃんに頼んであります。』

一虎「仕事早、まじかよ。」

しかも……、

『もうオーダーしてあります。』

一虎「お前すげぇな…、」

Aさんのためだったら、こんなこと当たり前だ。

前にエマちゃんたちに相談したら…

エマ「え!?サプライズプロポーズ!?そんなん
協力するに決まってんじゃん!」

ヒナ「Aさんの指のサイズは、私たちがバレないように
きっちり測るから…!」

エマ「ウチらにまかせな!」

という事だった。

ちゃんとバレなかったみたいだし、



記念日まで残り1週間ほど、



計画を練らないと。






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作者名:えび天 | 作成日時:2023年9月13日 23時

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