こんにちは、お兄さん【衣更真緒】

３６回目 ページ36

「妹ちゃんの友達を好きになった？！」

「あぁ」

「で！？サリー振られたの！？」



嘘だぁ！？！とスバルと真が口を開けて驚く

北斗も目を丸くして心底驚いているような表情だった

そりゃそうなるかと予想していた通りの展開に納得して苦笑いを三人に向けた



「告白して振られたってのはニュアンスが違うんだけどさ…」

「え！そうだとしてもサリーが振られるとか有り得るの！？」

「褒めてんのかそれ」



褒めてる褒めてる！とスバルに詰め寄られる

早速朝の時間のある時に言ってしまおうと思い、教室の隅で同じユニットメンバー三人に昨日のことを言った



「衣更は、その…妹の友達さんの事が今も好きなのか？」

「うん、好き」



北斗の真面目な質問に、真面目に返すと

横にいたアホコンビが「ひゅーー！！」と両方から小突かれた

こういう時に腫れ物扱いをせずにあえていつものテンションで来てくれる辺り助かるなと思う



「でも、アイドルの俺とは不相応って言われちゃってさ」



笑えるよな。と三人の目線が突き刺さりながらも一人で虚しく笑った

そんなこと関係なく好きなのに

俺の言った一言に頷いてくれれば守るのに

そんな役にすらも俺はなれないらしい



「難しいよなぁ〜」



悲しいはずなのに涙が出ない

明らかに分かるような作り笑いに、真と北斗は何か言いたそうにこちらを見ていた

スバルはというと



「なんで？その子のこと好きならそれで良くない？」



俺は目を瞬かせた

あと二人も同じ反応をしているが、スバルは気にすることなく意見を述べて行く

まるで一般常識を並べていくような、なんてことない顔色で



「俺さ、サリーもウッキーもホッケーも…みーんな大好きなんだよね」

「でも、衣更くんの好きとその好きは違…」

「うん、サリーの好きは結婚したいとかの方の好きでしょ？」

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