こんにちは、お兄さん【衣更真緒】

２４回目 ページ24

因果応報

自業自得

そんな言葉が俺の頭に重たくのしかかった



「(情けねぇな…)」



自室のベッドの上で天井を見上げる

先程の彼女の言葉が貼り付いて離れない



『”アイドル真緒さん”に、私は不相応です』



欲が出てしまったのだ

前髪に触れた後、微かに期待していたような視線を向けられた

そんなの自分の思い込みだったかもしれない

例えそれでも、嬉しかったのだ


だから少し困らせてやろうと思ってずるい事を言ってしまった

今思えば相当馬鹿なことをしたなと思ってるし、反省している



「(あ"ぁ"ーーー…！！こんなの、みんなになんて言えば良いんだよ！！？)」



妹の友達を好きになったけど、呆気なく振られた。なんて言えるものか

いや、まず告ってすらいないけど振られたも同然だろう

思い出すだけでいたたまれなくなり、枕に顔を埋めてうつ伏せになる

深い深いため息は枕に籠るだけで、余計に息苦しくなるだけだ



「(しっかり線引きしてたはずなんだけどな…)」



一度自覚してしまったものはどれだけ繕っても無駄らしい


"アイドルの真緒さん"

その単語がずっと引っかかっていた

もし、俺が一般人で

アイドルとしての仕事をしていなかったら

彼女は少しでも俺を見ていてくれていたのか

そう考えると複雑だ

確かに、アイドルとしては楽しいし辞めるつもりもない

だが、それを理由として言われてしまうと何も言えなかった



「はぁ…」



こんなこと、学友に話したら腫れ物扱いされそうだ

それもそれで何か嫌な話だが


9割9分男子の夢ノ咲学院で、この手の相談に乗ってくれる人は本当に少ないし何だったらいない同然なのかも知れない

まず言いづらいし向こうも反応に困るだろう

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