記憶喪失な太宰さん ページ3
それから彼…太宰治さんが語った事は、衝撃的なものだった。
「私は武装探偵社の一員らしくてね。間違って、なのかな?私は崖から飛び降りて頭を打ち、意識を失ったらしい。すぐに病院に運ばれた事もあり、幸い少しの痣と擦り傷で済んだのだけれど…頭を強く打ったショックでね。記憶を失ってしまった様なんだ。」
少し伏し目がちに話す太宰さんに、私は首を傾げる。
「…病院に運ばれた?あれ、病院が駄目な人な訳では無いんですか?」
「あはは、違う違う。そうじゃなくって…脱走してきたんだ。病院を。」
「脱走!?何故して…」
「何て云うか、居心地が悪くてね。気を遣いながらも笑顔で私に話し掛けてくれる同僚達。楽しい筈なのに…何でだろうね。何故しても、そこが私の居場所ではない気がしてならなかったんだ。」
「それで、脱走を?」
「そうそう。」
笑顔で頷く太宰さんに私は、深い溜息を1つ零す。
「何ですか、それ…そういえば、彼らの知らない場所、の彼らもその同僚さん達の事で?」
「そうだよ。」
うわぁ、良い笑顔。
「とりあえず、暫くここに置いてくれないかな?君は一人暮らしの様だし、他に行く宛がないんだ。」
「暫くって…どれくらいですか?」
「ん〜…同僚に見付かるまでくらい、かな?」
いつになるんだそれ…!
即座に断ろうとしたが、でも待って、と制止する自分も居たので、とりあえずその制止する自分の意見も聞いてみる。
━━━━━脳内会議 開始━━━━━━
(自分1)知り合ったばかりの他人だよ!?そこまで聞く義理無いし、どっかに放り投げちゃえ!
(自分2)でも、困ってるよ…?困ってる人を放ったらかしにするのは…
(自分1)そんなの自業自得じゃん!!
(自分3)だがイケメンであるぞ?
(自分1)なんだよその口調!
(自分4)それに、普通なら家族で住むような一軒家に一人暮らしはやっぱり寂しいし、誰か居た方が……
(自分1)それは…。で、でも、異能力の事は!?また前みたいな事が起こったらどうするの!?
(自分4)…その時はその時だよ。一々その事を危惧してたら私、一生前に進めないまんまだよ?いい機会だって。もう私はあの時程、この異能力の事を理解してない訳じゃないでしょ?
(自分1)…あーもー、分かったよ!良いよ、やってやろうじゃないの!
━━━━━脳内会議 終了━━━━━━
「……暫くの間だけですからね。そのまま住み着かないでくださいよ。」
9月24日。記憶喪失のイケメン、太宰治さんとの同棲……始めます。
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空ノ寂(プロフ) - 七葉さん» ありがとうございます、とても嬉しいです!これからも、応援よろしくお願いします! (2017年12月4日 0時) (レス) id: 6114dac4c8 (このIDを非表示/違反報告)
七葉 - 凄く面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2017年12月3日 23時) (レス) id: 88ee75b376 (このIDを非表示/違反報告)
空ノ寂(プロフ) - uoxCAnz4DFHXBiTさん» ありがとうございます!!そう言っていただけて光栄ですっ!これからも、応援宜しくお願い致します! (2017年11月12日 22時) (レス) id: 6114dac4c8 (このIDを非表示/違反報告)
uoxCAnz4DFHXBiT(プロフ) - めっちゃ面白い!!! (2017年11月12日 22時) (レス) id: 27924cfedd (このIDを非表示/違反報告)
空ノ寂(プロフ) - 洋梨さん» ありがとうございます(T^T)とても、励みになります!これからも頑張って更新していきますので、応援宜しくお願い致します! (2017年11月11日 23時) (レス) id: 6114dac4c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空ノ寂 | 作成日時:2017年11月5日 15時