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二人の言葉に、バレないように溜息をつく。
分かってる事とは云え、矢張り直接言われるとダメージを受ける。

「了解。」

そんな私とは対照ににっこりと笑う太宰さん。

そう云えば、二人に私を思い出して貰う方法があるって言ってたっけ。本当かな?

「太宰さ…」

太宰さんの肩に伸ばした手がパシッと掴まれて、私は思わず仰け反った。な、なんだよ…

「…A?」

「…Aちゃん?」

…二人から名前を呼ばれて、太宰さんに向けていた顔を横に向けると…

そこには、唖然としている国木田さんと敦君が居た。

「…思い出してくれたの?私の、こと。」

「…あぁ。何で忘れてたん………だっ!?」

「うわっ!?」

急に素っ頓狂な声を出す敦君と国木田さん。
それもそのはず。だって、私が二人に飛び付いたから。

「良かったぁーっ!!寂しかったよ、二人に忘れられてー!!」

「…そうだな。何故してかは分からないが、忘れてしまっていてすまない、A。」

「Aちゃん、ごめんね…」

二人の所為じゃない。けど、それを口に出さなきゃいけない程私達の絆は薄くない。

「思い出してくれてありがとう、二人とも。」


そのあと私は二人に事情を説明した。家族の事や親友の事は離さずに、簡潔に。
だけど彼らは、辛かったなって言って、私を撫でてくれた。優しい。友達って本当に素晴らしい存在。

で……
「太宰さん」

「なあに?」

「二人に私の事を思いださせてくれてありがとう。」

「いえいえ、どういたしまして。」

「それで……どうやったの?」

この解決方法。方法によっては、私を忘れた全ての人に思い出して貰えるかもしれない。

「ん〜、期待には添えないと思うんだけれどね。私がAに触ったら、君の異能力は解除されるらしい。その場にいる人、のみだけど。しかも、またすぐに忘れる可能性が高いけどね。」

…ならやっぱり、居場所の分からないお母さん達に思い出して貰う事は出来ないのか。でも、

「なら太宰さんと居れば、大体の人には思い出して貰えるんだ!」

「ま、そういう事。少々面倒臭い作業だけれど。」

わぁ、太宰さん神かよ。

「……太宰さん大好き。」

「……えっ、なになに、今の、こ、告白?」

「ち、違うし!」

私の言葉をからかった太宰さんは笑っていた。でも、その声は震えて聞こえた気がして…

勘違いでもいい。どちらにしても……

「私今、凄く幸せだ。」

この人達と出会えて本当に良かったと感じる。

心の底から。

ねぇ、→←思い出してよ



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設定タグ:夢小説 , 文スト , 太宰治   
作品ジャンル:アニメ
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空ノ寂(プロフ) - 七葉さん» ありがとうございます、とても嬉しいです!これからも、応援よろしくお願いします! (2017年12月4日 0時) (レス) id: 6114dac4c8 (このIDを非表示/違反報告)
七葉 - 凄く面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2017年12月3日 23時) (レス) id: 88ee75b376 (このIDを非表示/違反報告)
空ノ寂(プロフ) - uoxCAnz4DFHXBiTさん» ありがとうございます!!そう言っていただけて光栄ですっ!これからも、応援宜しくお願い致します! (2017年11月12日 22時) (レス) id: 6114dac4c8 (このIDを非表示/違反報告)
uoxCAnz4DFHXBiT(プロフ) - めっちゃ面白い!!! (2017年11月12日 22時) (レス) id: 27924cfedd (このIDを非表示/違反報告)
空ノ寂(プロフ) - 洋梨さん» ありがとうございます(T^T)とても、励みになります!これからも頑張って更新していきますので、応援宜しくお願い致します! (2017年11月11日 23時) (レス) id: 6114dac4c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空ノ寂 | 作成日時:2017年11月5日 15時

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