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誰も知らないハッピーエンド ページ6

一松がこの部屋からでていって数分たち、一松が戻ってきた。
その手には薬と水の入ったコップが握られていた。
「…はい。」
「…?これは何だ?いちまぁつ?」
「…おまえ、気持ち薬うったでしょ」
「!?」
なぜ一松がそれを…?
「んー?なんのことかわからないぞ?」
しらを切らねば
「…デカパンに全部聞いたから。誤魔化してもムダ。これ、気持ち薬を無効化にする薬だから。飲んで。っつーか飲め。」
「わかった。でも何故それを飲まなきゃいけないんだ?」
「デカパンが言ってた。分量を間違えたから………『感情が約1日でなくなる』って。」
感情がなくなる?
なんだそれ。
「別にいいじゃないか。」
「はぁ?」
「もともと俺はからっぽのカラ松さ。感情があってもなくても変わらない。そうだろう?」
「っそんなこと…!」
「だから、その薬はいらない。」
いらないさ。
「っんでだよ…!!」
「1日後には辛い思いをしなくていいなんて!!まさに人生セラヴィー!!
俺にはbrother達が必要だが…brother達は俺を必要としていないならば心があろうがなかろうが変わらないさ。
松野カラ松のニューストーリーの始まりだ。」
「カラま…」
「だからこれはいらない。」
パリン…!!
-ガラスの割れた音と一松の細かな息遣いが静かな部屋で響く-
「…どうした。一松。なぜ泣いているんだ?」
目の前の一松の呼吸は浅い。
「お前は俺が嫌いだろ?なら…本望だろ」
一松を一瞥する。
…も、それは一瞬で
「brother達はまだ帰ってきそうにないが、先に寝るか!」
笑顔で言った。


★一松視点★
オレは何をしているんだ。今ほどに自分を憎んだことは無い。
オレの隣でカラ松はスヤスヤと寝息を立てている。その背中に話しかけた。
「ごめんね。カラ松…。本当は大好きだったよ。嫌いになんかなってなかったのに…素直になれなくてごめんなさい。」
寝ているカラ松からは当然のだか、返事はない。
明日にはもう感情がなくなってるんだろうな。
薄れゆく意識のなかでそんなことを考えていた。
「…もう遅い。」
なんて、隣で寝ている人の小さな声に気づかないくらい。


・ ・ ・
「おはよー、一松兄さん」
「おは4!6!3のー!ターチアァアップ!!」
「まだ眠i… zzz…」
「おそ松兄さん!?こんなところで立ったまま寝ないでよー!あ、おはよう、一松。遅かったね?」
いつもと変わらない日常。
「おはよう、brother✨」
たった1人を除いては。

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作者名:チョコれに | 作成日時:2017年4月8日 10時

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