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『……え？』
聞かれると思ってもいなかった質問に、思わず声がもれだす。
オーバーホールの前ではなんでもできるような、完璧超人を演じていたものだから、こんなボロが出るのは初めてのことだった。
「お前は、幸せだったか？」
『……ど、どうしてそんなことを…』
「ただ単に、興味があったからだ」
オーバーホールは淡々と話を続ける。
Aは驚きが隠せず、開いた口がふさがらない。
「お前は望んで俺について来ただろう。でも、ついてきたら地獄のような生活が待っていたわけだ。そんなところにいて、幸せだったのか？」
『……』
Aはおよそ二年間、オーバーホールの元で過ごしていた。
個性が役に立つという理由でオーバーホールについていったし、そういう見方で考えれば幸せだったのかもしれない。
でも、まだ中学生になったばかりのような少女が見る世界としては、決して幸せなものではなかったが、年にしては大人びているAにとっては、辛くはなかった。
実際オーバーホールのことが好きだったから、そんなことはどうでもよかったのだが。
『…別に、幸せじゃなかったわけじゃないけど。なぜかあなたは私をかわいがってくれたし、側にも置いてくれた。ねえ、なんで私をかわいがったの？』
本当に聞きたいことがようやく言えた。
オーバーホールの質問に対してあやふやになってしまったが、仕方のないことだった。
「そうだな……お前が頑張っていたから、だろうな」
『は？…どういうこと？』
頑張る、なんて。
昔からずっと兄に対して申し訳なさを感じてきた。
それを紛らわせるために勉強やスポーツを頑張ってきたのに、まさかそれが報われるときが来るとは。
「壊理がどうされても、ずっと俺のそばにいただろう？少しは落ち着けたし、楽しくもなった。俺はお前がいて幸せだった。ありがとう」
瞬間、鳥肌がたった。
自分が以前、求めていた言葉のはずなのに、身の毛がよだつ。
どうしてだろう、すごく気持ち悪いと感じた。
(ああ、そうなんだ。私は、ずっと…)
Aは一人で納得した。
Aはずっと、オーバーホールの言うことが正しいと思っていた。
オーバーホールこそがすべてだった。
でも違った。
自分には、自分を心から愛してくれている兄と母がいたのだ。
その他にも、自分のことを心配してくれ、嬉しいことがあったら喜んでくれる人がいた。
(人の温もりが、恋しかっただけなんだ)
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引きこもり隊 - 最後「幸せに笑ってろおおぉぉぉ！！！！」って思った。神すぎる。天才。 (2022年8月23日 20時) (
レス) id: af8345609d (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - え？？？神ですか？あ、神ですね！( ´∀`)ﾊﾊﾊ好きです（唐突な愛の告白←） (2020年11月30日 17時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - めっちゃ面白いです！！更新頑張ってください！！ (2020年9月13日 7時) (レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - 読んでて面白くて、更新されるたびにとても嬉しくなります！更新頑張ってください！ (2020年9月9日 6時) (レス) id: 935a46d4ab (このIDを非表示/違反報告)
花音 - 読んでて凄く面白かったです！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年1月24日 19時) (レス) id: 07869dbeb9 (このIDを非表示/違反報告)
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