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妹が帰ってきたことは、早く母に伝えなければならない。
早く妹を病院に連れていかなければ。
デクは今までの人生で一番焦っていた。
そのとき、誰かに頭を叩かれる。
「緑谷くん」
「リューキュウ…！」
リューキュウはデクが何をしたいか分かったみたいだった。
「焦るのは分かるよ。妹さん、もう二年いなかったんでしょ。でも、今この状況を考えてみて。この作戦はとても大きかった。だから…緑谷くんも怪我をしているかもしれない」
「……」
「どれだけエリちゃんが君を巻き戻してくれていたとしても……少しは怪我が残っているかもしれない。緑谷くんも病院にいかなきゃ」
「…そうですね。焦ってました、すいません」
緑谷は頭を下げる。
リューキュウはクスリと笑う。
そして、幸せそうに眠るAのほおをそっとなでる。
「幸せそうじゃない。いいのよ、仕方ないもの」
そう言って笑うリューキュウは、ヒーローでなく…一人の女性として笑っていた。
◇◆◇
『んぅ……ここは……』
Aはゆっくりと目を開けた。
天井のシミが地味に目につく。
早速機嫌が悪い。
寝起きはただでさえ気持ちが悪い。
新しい一日の始まりだから。
自分にとって必要なのは新しい一日ではなく、素敵な人でもなく、とても素晴らしい景色ではなく、自分を愛してくれる人。
『オーバーホール……また会えないかしら…』
Aはカーテンを開けようとしたが、なにかに引っ張られていてベッドから動くことができない。
腕を見てみると、おびただしい量の点滴が自分の腕にささっていた。
点滴を見ると、いつかの、あの日のことが自然に思い出させる。
《…どうしてこんなことするの？》
《…すべてはお前のためだ。さあ、腕を》
ひどい音と共に腕に突き刺さる、とがったもの。
ものを突き刺さす力が強すぎたのか、勢いよく血がふきだす。
腕をおそった痛みを思い出し、思わず両腕を抱える。
『はぁっ……はぁっ………私は、悪くない……はぁっ……』
頭から血の気が引いていく。
だんだんと自分の体から血が抜けていく気がした。ドクドクとうるさい心臓の脈打つ音が爆音に感じて、心臓が止まってくれないかと思うほどだ。
『ぅうっ……やめてよ、私が何をしたって言うの……ねぇだれか助けて、私は悪くないって言って……』
Aは布団に潜り込む。
いつの間にか、ぼろぼろと大粒の涙をこぼしていた。
『ねぇお願い………だれか………』
Aは泣きながら、そうつぶやいた。
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引きこもり隊 - 最後「幸せに笑ってろおおぉぉぉ！！！！」って思った。神すぎる。天才。 (2022年8月23日 20時) (
レス) id: af8345609d (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - え？？？神ですか？あ、神ですね！( ´∀`)ﾊﾊﾊ好きです（唐突な愛の告白←） (2020年11月30日 17時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - めっちゃ面白いです！！更新頑張ってください！！ (2020年9月13日 7時) (レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - 読んでて面白くて、更新されるたびにとても嬉しくなります！更新頑張ってください！ (2020年9月9日 6時) (レス) id: 935a46d4ab (このIDを非表示/違反報告)
花音 - 読んでて凄く面白かったです！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年1月24日 19時) (レス) id: 07869dbeb9 (このIDを非表示/違反報告)
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