▼中国から来た“ミンハオ君” ページ42
「ヌナ！ヌナ聞いて！！聞いて！！！」
どたばたと走ってきたジュニが、顔がくっつく手前数センチの距離で立ち止まった。
『ちけぇボケ』
唾飛んどるわ、やめんか。
イケメンだろうと唾飛ばすなや。
「ねえヌナ聞いて！！！」
『聞いとるわいや！！返事しとるがな！！』
頭お花畑か！！！
「もうすぐ、最近入った中国の子がSEVENTEEN TVに出るんだって！」
『………えっ、まじで！？？』
「会ってないでしょ？」
『うん会ってない。会いたい！』
「今から行きます？」
『行く！！』
ジュニが「ついて来て〜」と歩き出すので、少し後ろから彼を追った。
『いつ来るの？いつからいる子？』
「もう半年前くらいに入った子だよ」
『ねえなんですぐに言わないの？？？』
おかしいよ。
言うの忘れてたとしても半年前はおかしいよ？
てか、気づかない私も私だな。歴史を変える鈍感さに自分でもドン引きだわ。
「ヒョン達が、面白そうから黙っとこうって。どうせヌナ、人の顔覚えんの超遅いし(笑)」
『(笑)じゃねー！！』
あいつら後でジャイアントスイングの刑だ。
『いいかいジュニ、社会において報・連・相というのは大切なことでな』
「名前はね、ミンハオだよ！」
『うん教えてくれてありがとう。でね、社会において』
「ブレイクダンスが出来るんだよ！」
『そっかあ、それはすげぇ。あのねジュニ、しゃか』
「僕の一個下！」
『…………よし！！早く挨拶に行こう！！！』
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作者名：歓楽街
| 作成日時：2023年1月30日 21時
