朝日 ページ43
紫耀「あー、もう陽が…朝か…」
カーテンの隙間から陽が差し込んでいた。
A「本当だ…もう朝なんだね。」
紫耀「ベランダ出よっか。」
2人服を着て、
ベランダへ。
そこにはあの時の椅子とテーブルがちゃんと並んでいた。
電話でこの前聞いていたけど、
実際に見ると余計に嬉しかった。
A「…懐かしいな。ありがとうまだ持っててくれて。」
紫耀「ううん。座ろ？」
2人並んで座る。
目の前の、
眩しいくらいの朝日を見ていたら、
A「なんだかよく分からないけど、不思議な感覚。」
紫耀「ん？どんな？」
A「今は夢の中なのかなって…」
そう錯覚してしまうほど、
とても綺麗な朝日と、
紫耀と迎えているこの朝が、
とても幸せだった。
まるで付き合っていた、
あの頃へ戻ったかのようだなって、
そんな夢みたいな事を考えてしまったの。
でも、
紫耀「現実だよ？夢じゃない。俺とAの気持ちが通じ合って、愛し合った後に、こうして俺の部屋のベランダで、一緒に朝日を見てるの。全部夢じゃない。現実だよ。…おいで？」
そう言って私の手を引くと、
紫耀の足の間に座らせられた。
後ろからしっかりと抱き締められ、
私の髪を横に流し、
首に唇が落とされた。
A「んっ…紫耀」
紫耀「幻みたいに思わないで…。俺の事、愛してるって言ってくれた事も、身体を重ねた事も、こうして一緒に朝日を見てる事も…」
A「うん、全部夢じゃないね。こんな気持ちでこうして紫耀と迎える朝が、あまりにも幸せ過ぎて、つい…。ごめんね？ちゃんと、全部が本当で本物。偽りもないわ。…紫耀？」
紫耀「ん？」
紫耀の方へ体を向けると、
不安げに揺れる紫耀の目。
キラキラとしているのは、
朝日を浴びているから？
それとも…
その目を見つめ、
A「好きよ。紫耀、愛してる。」
そう言うと、
紫耀「A…。俺も愛してる。ねぇ、キスしたい…部屋入ろう？」
手を引かれ部屋の中へ入った。
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2021年8月7日 1時
