Contract love ～偽装恋愛～ 22 (ページ27)

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何も変わらないページ27

紫耀「座ってて？着替えてくるね。」

A「あっ、うん。」

そう言われてソファーに座り、
部屋を見渡す。
前の部屋と雰囲気が変わったんだね。
でも、香りは変わらないな。
薄暗い照明も。

立ち上がり部屋を見ていたら、

紫耀「岸君とジン、近くにいるらしくてさ、すぐ来るんだって。」

そう言って後ろからお腹に腕を巻き付け、
抱き締められた。
私の首に顔を埋め、
思いっきり息を吸うと、

紫耀「はぁ…、Aの匂いだ…。あの頃と変わってない。俺ね、この香りが世界で1番好きなの。」

そして、
唇を当てキスを落とされた。
その刺激に、

A「ンッ…」

思わず声が出て、
肩をすくめると、

紫耀「ほら、反応だって、あの頃のまま。匂いも反応もさ、何も変わんないのにね…」

そう寂しそうに言う紫耀に胸が痛む。
何も言えず、
紫耀の腕に手を重ねた。

すると後ろから頬に手を添えられ、
後ろを向かされると、
そのままキスが始まる。

キスをしながら、
体を紫耀の方へ向き直し、
腕を首に巻きつけると、
私の首と腰に手を添え、
もっとと引き寄せられる。

あの頃のまま…
何も変わらない私達のキス…

でも、
あの頃と違うのは、
こうして紫耀と変わらないキスをしていても、
私には彼氏が他にいて、
紫耀は2番目だって事…

そんな罪悪感を消したくて、
夢中でキスをした。

すると、

ピンポーン

紫耀「…はぁ。なんだよ。アイツらもう来たのかよ…。」

そう言いながらも、
嬉しそうな紫耀に思わず笑ってしまった。

A「フフ。あっ、ねぇ待って？」

紫耀「ん？」

A「付いてる…」

紫耀の唇に付いた口紅を親指で拭う。

紫耀「これも…。大好きだったんだよね。」

そう言いながら、
手を取られると、
またキスを落とされた。